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鶴見区 社会

公開日:2025.06.01

「山下ふ頭再開発に市民の意見を」
シンポジウムで市民団体訴え

  • 神大横浜キャンパスで中村さんの報告を聞く参加者

 山下ふ頭の再開発について考えるシンポジウムが5月31日に神奈川大学横浜キャンパス=神奈川区=などで行われた。

 再開発をめぐっては、林文子市長時代にIR(カジノを含む統合型リゾート)誘致を計画していたが、2021年の市長選で当選した山中竹春市長が計画を撤回。市はその後、再開発に関する市民意見募集を実施し、23年8月から都市計画の専門家らによる検討委員会が議論を始めた。24年12月に緑化空間の創出や経済活性化を目的にした施設の導入などを盛り込んだ答申をまとめて市長に提出。市は今後、事業計画案を策定する。

 シンポジウムは神奈川大学法学研究所が主催し、約30人が集まった横浜キャンパスのほか、登壇者をオンラインで結ぶ形で行われた。

 横浜キャンパスでは、市民団体「市民による市民のための山下ふ頭を求める会(準備会)」の代表を務める中村寛三さんが報告を行った。同会は、市民が声を上げたことでIR撤回を掲げた山中市長が誕生した経緯を踏まえ、山下ふ頭再開発でも市民意見を尊重すべきとの姿勢で活動している。

 中村さんは検討委員会の答申を「短期的な商業的開発と中長期的な市民生活の豊かさを追求するまちづくりという両立しない方向性を無理矢理まとめたもの」と批判。市が事業計画案を策定する際は市民参画を保証する委員会を設置すべきと主張した。8月の市長選後に計画案が出るとの見方を示し、それまでに世論を喚起したいとした。今後、市長選立候補予定者に再開発に関する質問を行うことも検討しているという。

 シンポジウムではほかにも、まちづくりの専門家らが土地利用のあり方や港湾機能の活用などの観点から意見を述べた。

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