横断歩道や交差点の近くに設置されるなど交通事故を誘発する恐れのある「危険なバス停」について、国土交通省が全国のバス停を対象にした調査結果をこのほどまとめた。神奈川区内には、対策の優先度を示すABCの3段階でB判定が4カ所、C判定が11カ所あった。
2018年に区内の三ツ沢南町バス停で降車した小5女児が、横断歩道をまたいで停車するバス後方から道路を横断して車にはねられた死亡事故を契機にバス停の設置位置が問題となっていた。国交省では19年末から調査を続け、事故現場のようにバスが横断歩道をふさぐ位置に停車するバス停などを抽出し、危険度の高い順にABCの3段階で判定した。
B判定を受けた区内のバス停は、▽旭硝子入口(鶴ケ峰駅方面)=羽沢町=▽中村(横浜駅方面)=菅田町=▽小川橋(横浜駅西口方面)=同=▽滝坂(新子安駅方面)=子安台=の4カ所。いずれも停車したバスが交差点にかかるか、横断歩道の前後5メートルの範囲内となる位置にバス停が設置されている。交差点の前後5メートルの範囲に停車したバスがかかる、またはそれ以外の危険性があるC判定は11カ所だった。
早期対策は困難
調査を行った関東運輸支局の担当者は、「危険な場所から対応するが、関係機関との調整があるためすべての停留所をすぐに改善するのは難しい」と話す。今後は県警やバス事業者と連携し、安全面から優先すべきと判断したバス停周辺にガードレールを設置したり、注意喚起の看板を設置したりして対策を進める予定という。
県内では、A判定(過去3年以内に停車したバスが要因となる人身事故が発生、または停車時に横断歩道に車体がかかる)のバス停は27カ所、B判定は370カ所、C判定は335カ所あった。市内でA判定を受けたバス停は中区2カ所、鶴見区2カ所だった。
危険度の高いバス停については、県警も18年の交通死亡事故を受けて同年中に県内84カ所のバス停について3段階の危険度で公表していた。該当するバス停のうち市交通局が所管する14カ所については、県内で最も危険性が高いと指摘された長導寺前=菅田町=を含む14カ所全てで安全対策を終えている。
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