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公開日:2025.12.04

横浜市
医師・患者の隔たり解消へ
多世代へ情報発信

  • 市医療安全相談窓口に寄せられた相談内容分類

 横浜市は、市民が医療を身近に感じ、安心して医療従事者と話し合える社会の実現を目指し、このほど現役医師団体「やさしい医療のカタチ」と連携協定を締結した。トークイベントやブックフェアなどで情報を発信し、多角的な啓発活動を共同で展開していく。

 市医療局によると、市医療安全相談窓口に今年4月から9月末までに寄せられた相談件数1899件のうち、「医療従事者とのコミュニケーション」が663件と最多を占める(=グラフ)。相談内容は「医師にどう聞けばいいのかわからない」「自分の辛さが伝わっているのか不安」など患者が医師とのコミュニケーションにギャップを感じる声が多い。

 一方、同団体は「医師と患者の垣根をなくす」をテーマに医師4人を中心に2018年頃から「SNS医療のカタチ」として主にSNSで情報発信をしてきた。副会長の山本健人医師は、コミュニケーションギャップが原因で患者が医師との信頼関係を損なったり、治療がうまくいかないことが現場ではよくあると指摘。例えば、「セカンドオピニオン」は主治医とは別の医師に診断や治療方針について意見を求めることをいうが、そうした医療システムの知識がないために「診察も検査もしてもらえなかった」と不満に思う患者がいるなど、医療に対する「期待度」との間にギャップがあるという。

 同団体はSNSのユーザー層にはアプローチしやすいものの、高齢層への発信が難しいという課題があった。一方、市は広報紙などの広報手段があるが、若年層へのアプローチが課題だったため両者で連携することで、より幅広い年齢層に情報を発信し、「上手な医療のかかり方」についての啓発を進めていく。山本医師は「医学的に信頼できる情報を楽しくわかりやすく届けることで、よりよい治療を受けられるようにしたい」と語る。

 取り組みの一環として、市中央図書館でブックフェアを開催中。1月には市庁舎でトークイベントを開催する。市の担当者は「医療を身近に感じ、興味を持ってほしい」としている。

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