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公開日:2024.01.18
南神大寺団地
防災キャビネットを設置
エレベーターの地震対策
大きな被害となっている能登半島地震。いつやってくるか分からない自然災害に対する備えの重要性が改めて浮かび上がっている。南神大寺団地では昨年末、エレベーター内に「防災キャビネット」が設置された。自治会の役員が中心となり、住民の声を受けて実現。同自治会の森岡一美会長は、「災害に強い団地づくりを進めていきたい。他団地にもこうした取組み広まれば嬉しい」と話す。
南神大寺団地では、自治会の役員を中心に、住民主体の防災活動に力を入れている。昨年末に、団地内のエレベーターに「防災キャビネット」が設置された。キャビネットの内容物は保存水や紙コップ、トイレシートやLEDランタンなど。機内に閉じこめられた際には、これらの非常用品で復旧や救助まで安心して待つことができる。
住民の声で実現
設置のきっかけとなったのが、2021年3月に発生した事故。夜に震度4の地震が発生し、高齢の男性が機内に1時間弱閉じ込められてしまった。そこで自治会が中心となり、建物を管理するUR都市機構にキャビネットの設置を要望。住民たちの熱意が伝わり、団地内17機のうち1機に試験的な設置が決まった。1年間の運用を経て問題がなければ、残りの16機にも導入される。「震度4以上の地震時は必ず役員が確認するようにしているが、閉じ込められてしまうと、救助が来るまでは助け出すことができない」と森岡会長。「特に大規模災害時には、一日以上出られないことも想定される。キャビネット設置への協力は大変ありがたい」とUR都市機構への感謝を口にする。防災キャビネットの導入は、同機構の団地では初の事例。住民たちの声がきっかけとなって実現した。「ほかの団地にも知ってもらい、防災への取組みが広まっていけば嬉しい」と森岡会長は話す。
団地の絆で防災
同自治会では、東日本大震災以降より防災の意識を高め、15ある棟の安否確認訓練や広報紙でのPRなどに実施している。「多くの人が参加しやすいように」と、餅つきイベントで炊き出し訓練を実施するなど、"イベント+防災"で、団地の自助力を高める。森岡会長は「高齢独居の住民も多い。いざという時に円滑に助け合えるよう、世代を超えて顔の見える関係づくりを強化していきたい」と思いを語る。
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