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公開日:2025.06.12

三ツ沢公園再整備見直し
陸スタを新球技場に
陸上競技場は泉区に新設

  • 見直し後の施設配置案(横浜市提供)

  • 三ツ沢公園陸上競技場

  • 陸上競技場(東側)を含む深谷通信所跡地の整備イメージ(都市計画市素案説明会資料より)

 横浜市は三ツ沢公園の再整備について、2022年に公表した基本構想案を見直し、陸上競技場の敷地に新たな球技場を建設、陸上競技場は深谷通信所跡地=泉区=に新設する方針を示した。6月2日に開かれた市会常任委員会の中で報告された。

従来構想から一転

 サッカーJリーグで使用されるニッパツ三ツ沢球技場のほか、テニスコートや野外活動センターなどで構成される三ツ沢公園。これまでの構想では、陸上競技場の敷地ではなく桜山や野外活動センター、テニスコートなどがある位置で新球場を整備する方針が示されており、整備に反対の声も上がっていた。

 事業を所管する市みどり環境局によると、配置見直し理由のひとつが、深谷通信所跡地整備の進捗だ。

 都市計画決定に向けた手続きが始まったことで、もともと陸上競技場を整備する予定だった同地の状況を踏まえた検討が可能になったという。

 合わせて民間事業者への市場調査の中で、当初の配置では高低差を解消する造成工事に多額の費用がかかることが示されたことも参考とした。

 今後は新球技場の規模などを含めた公園リニューアルの基本計画策定を進めていく。球技場建設には、民間企業のノウハウや資金を活用できるPFI方式を基本に検討していくという。

 サッカーやラグビーなど、中高生スポーツの聖地でもある現在の球技場。担当者は「青少年の新たな目標となる、夢のある場所になれば」としている。

「サンガスタジアム」級か

 新球技場はJリーグの基準を満たす屋根付きで、収容人数1万5000席以上を想定する。

 敷地内は建物の高さなどが制限される第4種風致地区に指定されているが、隣接する市民病院は関係法令の緩和手続きなどにより高さ31mとなっている。国内の球技専用スタジアムでは、京都府亀岡市のサンガスタジアムby KYOCERA(収容人数約2万1600人)が地上4階建て、高さ27・6mとなっている。

 補助競技場がある部分は、試合開催時のにぎわいスペースなどの広場として想定されている。

ニッパツも存続

 現在のニッパツ三ツ沢球技場は、フィールドはそのまま使用するが、老朽化の進むスタンドについては今後の検討としている。新球技場ができることで稼働率緩和も期待できるが、担当者は「J1レベルの興行を同日開催するのは現実的ではないが、地域に配慮しながらチームのニーズに応えたい」としている。

陸スタは2種公認

 三ツ沢公園の陸上競技場は学生の記録会や主要大会が開催できる第2種公認陸上競技場だが、深谷通信所跡地に整備する競技場も同規模として設置し、サブグラウンドも設ける方針だ。

 深谷通信所跡地は市営地下鉄立場駅から約2Km離れており、周辺の歩道も狭い立地だが、担当者は「距離で言えば横浜駅〜三ツ沢とかわらず、こちらは平坦。今後、戸塚や大船からのアクセスも見込める」としている。

 一方で、今年2月に住民向けに行われた深谷通信所跡地利用の説明会では、今後について27年に都市計画決定、そこから約19年後の46年頃の完成としており、三ツ沢公園の整備スケジュールにも影響を与えそうだ。

これまでの経緯

 1955年に完成した球技場は老朽化のほか、屋根がなくJリーグのスタジアム基準を満たしていないなどの問題がある。加えて、市民利用以外にも横浜FCや横浜F・マリノスをはじめ、女子サッカーなでしこリーグの2クラブやラグビーリーグワンの横浜キヤノンイーグルスなど6つのスポーツチームが使用。年間を通じた稼働率は国内の球技場の中でも突出している。

 こうした中で横浜市は22年、三ツ沢公園内に新たな球技場を整備する方針を公表した。当初案では桜山や野外活動センター、テニスコートなどが現在ある位置で計画されていたことから、同年の市民意見募集では建設に反対する声などが目立った。この間、横浜FCの親会社から新スタジアムの寄贈提案がされたが、23年には提案を取り下げている。

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