改正臓器移植法施行から1年。脳死者からの臓器提供の条件が緩和され、臓器提供者が増えてきた。患者や家族、病院をサポートする移植コーディネーターの活躍の場も広がっている。
聖マリアンナ医科大学病院(区内菅生/幕内晴朗病院長)では4年前から移植医療支援室を設置し、移植のコーディネーターを2人配している。
移植コーディネーターには、提供希望者とその家族をサポートするドナーコーディネーターと移植を希望する患者のサポートをするレシピエントコーディネーターがいる。
同病院でドナーコーディネーター兼神奈川県臓器移植コーディネーターを務めるのが中村晴美さんだ。
中村さんは臓器提供希望者が現れると、その家族に移植医療の説明をする。家族が臓器提供の承諾をすると、院内関係者との連絡や家族のケアを医師や看護師とともに行い、医療者のサポートも行う。また、情報公開の準備や手術室の調整、臓器搬送の調整まですべて行っている。
時間外勤務も多く、長いときには前後1週間近く、病院で寝泊りすることもある。「大変だと思うこともあるけれど、人の命や思いをつなげていく仕事。やりがいも大きい」と話す。
レシピエントコーディネーターを務める櫻井裕子さんは腎臓移植を希望する患者さんのサポートを初診外来から担当する。手術前の評価から退院後の問題点まであらゆるシーンで関わっていく。薬剤師でもある櫻井さんは、患者さんから薬の相談を受けることも多いという。「お付き合いは一生続く。責任ある仕事で毎日があっという間に過ぎていく」と話す。
中村さんは移植医療の普及にも力を注いでいる。時には同医大で職員に向けた研修会の開催や県内の医学生、看護学生に講義を行うこともある。「このような普及啓発活動が多くの方々に移植医療を知ってもらうきっかけになってほしい」と期待を寄せた。
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