50周年を迎えたセレサ川崎農業協同組合植木盆栽部宮前支部の支部長を務める 横山 健一さん 野川在住 72歳
60年、70年と続く組合に
○…今年50周年を迎えたセレサ川崎農業協同組合植木盆栽部宮前支部の支部長を務める。創立初期から同支部に携わり、現在は総勢43人の組合員とともに活動する。1962年頃の宮前区の区画整理により都市化が進み、当時、緑を求めて植木は引っ張りだこだった。現在は個性的なものや家に合わせた庭など、繊細な技術が求められ、植木業界は転換期を迎えている。「切磋琢磨し合える仲間がいて本当にありがたい」と同組合への感謝を滲ませる。
○…植木の世界に飛び込んだのは22歳のとき。朝から晩まで休まず働いた約6年間の見習い時代を「あれがあったからこそ、これまで頑張れた」と振り返る。28歳のとき、祖父が野菜畑として利用していた土地を受け継いで本格的に植木生産をスタートさせた。植木職人としては44年のベテランだ。先日、20年ぶりに見に行ったという自身が携わった庭は、当時とほとんど変わらず管理されていた。「自分の作った庭にはやっぱり愛着がありますね」と植木への親心をのぞかせる。現在は息子が後を継ぎ、夫人と3人で植木場に出ることも。「家族で植木に携われるのはやっぱり嬉しい」と頬を緩ませる。
○…趣味の将棋では、付近の小学校で児童の相手になることもあるという。気の置けない仲間内で月1回開く将棋会は約40年間続いている。酒を楽しみながらの将棋は「親睦会みたいなものだから、上達はしませんね」と苦笑いするも、毎回楽しみにしている。
○…近年は後継者不足が叫ばれている中、同組合は若い世代の活躍が光る。今後はこれまで培ってきた同組合の歴史を若い世代に引き継ぎながらも「体力が続くうちは現役。まだまだ頑張らないと」と意気込む。先人が半世紀にわたり築いてきた同組合の歴史を末永く継続させるため、技術向上に労を惜しまない。「60年、70年と続く組合にしたい」と穏やかな口調の中に熱い想いが感じられた。
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3月22日