宮前区 文化
公開日:2019.07.26
白幡八幡大神
神事に捧ぐ伝統の団子
5時間かけ氏子が手作り
平の稲毛惣社・白幡八幡大神で夏と秋の祭りに催行されるのが、川崎市の重要習俗技芸に指定されている禰宜舞(ねぎまい)。江戸初期には将軍の前で舞ったとされている由緒ある神事だ。
この禰宜舞にかかすことができないのが、舞の終わりに神主と氏子たちがまく団子。祭りの前日にあたる宵宮の日に当番の氏子たちが一つひとつ手づくりして用意する。約70軒の氏子から10軒が「小当番」という役を担う。時計周りで1年ずつ夏に交替し、祭りの進行を支える地域の風習だ。
夏の祭り、禰宜舞は毎年7月の第3日曜日、今年は7月21日に行われた。前日の20日に「小当番」の氏子と総代、会計など役員が白幡八幡大神に集まり団子づくりを開始。朝9時ごろから午後3時ごろまで、休憩1時間をはさむが約5時間かけて約20kg、桶2台分の団子をつくる。
その時の小当番によってやり方は異なるというが、米粉を練り、筒状にしてから蒸しあげ、杵でついてから形を整える。参加者は「10年に一度くらいのことだから忘れちゃう」と苦笑い。役員が介添えして伝統を守る。
総代長を務める山田林蔵さん(88)は「地域の伝統をしっかり受け継いでいきたい」と話した。
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