本日7月10日は納豆の日。宮前区内で納豆といえば、かわさき名産品にも選出されている甘納豆の駿河屋こと駿河屋製菓(有)(野川本町)。今年で60周年を迎えた同社を、創業時から見守り続けた女将・瀬戸幸子さん(82)=写真=に話を聞いた。
川崎区で修業を積んだ夫・茂一さんが1960年に独立開業。当時は店の近くには池があり、釣りもできるほどに開けていなかったという。当初は苦労し、幸子さんも甘納豆を背負って近隣を売り歩き、子どもを連れて三輪自動車ミゼットに乗り三軒茶屋まで行商にも行った。茂一さんは「器用で何でも作った」と、今も工場では手作りの換気扇がまわる。次第に仕事は軌道に乗るが、茂一さんは11年前に他界。「悪口は一度も聞いたことない。いいお父さんだった」。今も週1回の墓参りは欠かさない。
甘納豆は、豆を洗って水に浸け、煮てまた浸けて火入れして-と、完成までに4日もかける。同店のこだわりは、輸入の安い砂糖もある中、北海道産ビートの使用。そして「丁寧に手を掛けることかしら」とニッコリ。
自身も4年前に悪性リンパ腫で入院したが回復。半年ごとの血液検査も「病院がコロナで大変そうだからそろそろ卒業しようかしらね」と話す。現在、息子の浩さんが社長となり、幸子さんは今日も店に立つ。健康の秘訣は「感謝の心と笑顔を忘れない事」とまた笑った。
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