宮前区 文化
公開日:2022.04.29
徐福伝説、研究者が講演
市日中友好協会が主催
川崎市日中友好協会(青木松枝〈叶春華〉会長)は4月20日、稲毛神社参集殿(川崎区宮本町)で「徐福の日本における足跡」と題した講演会を開催した。ジャーナリストで古代史研究家の壱岐一郎氏が講師として登壇した。
徐福は約2200年前、秦の始皇帝の使者として、不老不死の薬を求め、3000人の若い男女や技術者とともに東の海に旅立った。日本にも訪れ、全国各地に徐福伝説が残されている。
壱岐氏は、中国・前漢時代の歴史家・司馬遷が編纂した『史記』に、徐福が4回以上登場していることを紹介。「単なる伝説ではない」と実在していたことを強調。「中国のプロ集団がつくりあげた」銅鐸が日本に徐福が渡航した証拠だと語った。
壱岐氏はまた、近年の遺伝学研究から、渡来人が倭人形成に大きな比重を占めている点についても言及。徐福集団が「結婚して所帯を持ち」、日本の人口増にも貢献したとの見方も示した。
徐福伝説は神奈川県にもあり、壱岐氏は「県内の寺の縁起を見ると、徐福の足跡がうかがわれることに気づいた。神奈川県での徐福研究は今後やりがいがある」として、さらなる解明に意欲をみせた。徐福研究をめぐっては、中国、韓国、日本の研究者がユネスコ登録遺産を目指していることから、壱岐氏は「これから運動が活発になる」とも展望を語った。
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