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宮前区 人物風土記

公開日:2023.05.19

県立東高根森林公園の統括責任者を4月から務める
長谷川 陽子さん
神木本町在勤 49歳

暮らしの一部の公園に

 ○…川崎市内のほぼ中央に位置し、11ヘクタールの面積を有する県立都市公園、東高根森林公園の統括責任者に今春就任した。遺跡や県指定天然記念物のシラカシ林などがある園内だが、独特な公園だと感じている。「毎日、年齢や障害を問わず多様な人が訪れ、それぞれ気持ちよく過ごしている。そのことを当然のように受け入れる、柔軟な地域性があるのかな」と印象を語る。

 ○…丹沢、大山を望む厚木で育つ。幼いころから山登りや庭づくりは身近で、「土に触れるのは自然なことだった」と振り返る。その後を決定づけたのが短大時代。寮生活を送りながら植物の生産・販売や畜産を学ぶ2年間を経て、「暮らしの中に緑があることが心の豊かさにつながる」という思いに至った。卒業後は造園、農業、生産と植物に関する仕事一筋。特に魅力と思うのが公園管理業務だ。「植物に関心がなかったとしても、知る機会を与えられる場所が公園。生活の一部で植物の力を感じてもらえたら」と力を込める。

 ○…休日のリフレッシュもアウトドア派。中2の娘と一緒に行くキャンプは、外で食べるご飯や星空が格別だ。「テント張りや火起こしも、何でも自分でやるのが楽しい」と目を細める。海での活動とドライブも趣味。「家でじっとしていることはない。外で体を動かすことが好き」。日に焼けた笑顔で語る。

 ○…自生植物も楽しめる同園。「自分の力で繁殖、成長する自生の植物からはエネルギーを感じる。遠くに行かなくても味わえるなんて」。感動できたのも、市民が守ってきた公園だからだと考える。責任者として「これまでの思いを大事にしながら、現在利用する人が求めるものをつかみながら、『川崎の財産』を守っていきたい」。

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