高津区版 掲載号:2017年9月29日号 エリアトップへ

連載第一〇一四回 高津物語 「医療から村政へ」

掲載号:2017年9月29日号

  • LINE
  • hatena

 三百年もの昔の話である。

 久本の旧家、今は久本「薬医門」公園として定着している元の主、旧岡家第四世岡道栄は、岡家の伝統を継承すると同時に、「医学稽古所」を久本の地に建立して、東京西南部の医療拠点として、溝口を近代医療の先駆けにしようと、地方行政官である神奈川県知事に願書を提出している。

 文書名を「医道勧学場建立願書」というが、岡家四代目は、久本の地を旧態依然とした雰囲気をぶち壊して、明るく活気のある村に変えようと躍起だったのだ。

 古文書「武州橘樹郡『鈴木藤助日記』安政六年(一八五九)六月九日」を見ると「九日 乙亥大安 雨降、六郎兵衛来、菊来る、おこと大谷帰る」とある次に「岡道栄見舞ニ来囲碁仕候」「由蔵薬鳥行、云々」とあり、度々長尾の鈴木家に往診に出掛けた模様である。

 往診は通常は馬を使って行われたようだ。

 馬が引く「往診用カバン」等をいれた車付小道具入れは現在、愛知県犬山市の「博物館 明治村」に一括寄贈され「川崎市久本・岡コレクション」として一般公開されているから、ご覧になった方も多かろうと思う。

 日本画家の岡信孝氏は現在、久本を離れて、横浜市にお住まいであるが、先生の持論は、日本人の価値基準が時代の流れが速すぎて、時代状況を冷静に見つめる「自分」を掴み切れないでいる。それに反して「西洋の人間存在の価値の基準は、伝統を護ろう護ろうと努力して、時代の状況をみつめる自分をしっかりと掴んでいる」と話されている。

 岡信孝氏の尊敬する恩師の一人、日本画家故奥村土牛先生は「現代の人は、上手に描きすぎる。上手に描くことは誰にも出来るが、上手に描けることを、抑えるのが難しいのだ」と言われたと、岡先生から伺ったことがある。

 「十年奈良に通って絵を描き始め、法隆寺とか東大寺とかに、目が行きます。十年通って良かったなあと思いますのは、路傍の花にも古都奈良を感じられるようになった事です」と謙虚に言われた。十年も二十年も前の話である。
 

閉店セール 12月31日まで!

金・プラチナ高価買取も2020年12月31日まで!見積り無料

044-833-6891

<PR>

高津区版のコラム最新6

GO!GO!!フロンターレ

区長かわら版

区長かわら版

このコーナーでは区長が公務の中で感じたことなどを自由に綴ってもらいます。

10月30日号

まちのこぼれ話

郷土史には記録されない、たかつの記憶をたどる

まちのこぼれ話

第15話 その4 境野 勝之さん

10月30日号

GO!GO!!フロンターレ

まちのこぼれ話

郷土史には記録されない、たかつの記憶をたどる

まちのこぼれ話

第15話 その3 境野 勝之さん

10月23日号

お金のはなし

税理士・FPの高橋さんが解説

お金のはなし

その2「iDeCo(イデコ)について」

10月23日号

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 5月24日0:00更新

  • 2月8日0:00更新

  • 8月10日0:00更新

高津区版のあっとほーむデスク一覧へ

最近よく読まれている記事

コラム一覧へ

高津区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2020年10月30日号

お問い合わせ

外部リンク