連載第一〇三八回 「せきかんとう」【1】 高津物語
「せきかんとう」をご存知だろうか。
『広辞苑』には「沖縄や九州南部で、道路のつきあたりや門・橋などに「石敢当」の三字を刻んで、建ててある石碑。中国伝来の民俗で、悪魔除けの一種。いしがんとう」とある。
「石敢當」を何処で見たかというと、二ヶ領用水「新雁追橋」を渡って「川崎市北部身体障害者福祉会館・高津授産場」と「宗隆寺溝口墓地」を左に見ながら進み、総合高津中央病院二号棟に入る裏路の入口に、質店の谷川商店の蔵兼店舗があり、そこに「石敢當」が建っている。
また、JR川崎駅前に「石敢當」があるそうで、一九六〇(昭和三五)年の春に、沖縄からプレゼントされたものだという。それは沖縄より更に南に浮かぶ宮古島の特産、トラパーチン(平行な縞状の構造を持つ多孔質の無機質石灰岩。建築・装飾用。イタリア、特にローマ東郊産のものが著名。また、琉球石灰石をいうこともあると広辞苑にある)で造られているかは定かではないが、前からそこにあって不思議だなと思っていた。今回の「高津物語」で正式に「石敢當」を取り上げて理解を深め、沖縄への一層親近感を深めたいと考えた。
川崎駅前の「石敢當」建設の由来は、昭和三五年当時、日本は高度経済成長期を迎えていたが、沖縄は戦後日本本土から分離され、アメリカ合衆国の統治となり、米軍基地に姿を変えていた。そこへ台風が襲って、宮古島の被害は酷く、宮古島の人達は「ソテツ地獄」といって、毒性のある蘇鉄さえも食用しなければならない程、困り果てていた。
(次号へ続く)
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