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高津区 社会

公開日:2025.12.11

川崎久末郵便局員「窓口行くな」の指示に不審
詐欺阻止で警察から表彰

 高津警察署(今中隆洋署長)は11月28日、特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、川崎久末郵便局(弓削雅一局長)局員の圡井美春さんに感謝状を贈呈した。

 同署によると、事件が発生したのは10月29日。郵便局近くに住む高齢者のもとに、息子を名乗る人物から「財布を落としてしまったため、すぐに100万円を用意してほしい」という電話がかかってきた。

 指示を信じた高齢者は現金を準備するため、川崎久末郵便局に訪問。ATMで上限額まで現金をおろしたが必要な金額に足りなかったため、窓口にいる圡井さんに「残りの金額を引き出したい」と、申し出たという。

 「『窓口には行くな、と息子に言われていたんだけど』という言葉が出た瞬間、怪しいと感じました」と振り返る圡井さん。現金の使い道などを確認するうちに詐欺だと確信したため、弓削局長に通報を依頼。駆けつけた警察が高齢者の家族に連絡を取ったところ、現金を要求した事実はないと判明した。

 今回、詐欺対応は今回が初めてだったという圡井さんは「お客様の大切な財産を守れてよかった」と安堵の表情を見せていた。弓削局長によると、同郵便局では、警察から詐欺事件の情報共有を受けており、詐欺事案が発生した際のマニュアルも用意されているとして「日ごろの備えが役立った」と語った。

被害額2億7千万に

 感謝状の贈呈式で、今中署長は圡井さんの活躍を高く評価し、「勇気を出して声がけをしていただいたおかげで、高齢者の財産を守ることができた。感謝している」と述べた。

 同署によると、区内では11月27日までに約2億7千万円の詐欺被害が発生している。今中署長は「詐欺被害防止のための広報を強化していきたい」と、今後の対策への決意を語った。

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