自殺防止を掲げ、相談を受ける「社会福祉法人川崎いのちの電話」が12月で発足30周年になる。ボランティア相談員が24時間体制で対応し、昨年は1万3千件以上の相談が寄せられたが、同団体では相談員不足が課題となっている。
「いのちの電話」は全国50カ所に設けられており、県内では川崎市、横浜市の2カ所。「川崎いのちの電話」は1986年に発足し、自殺者を少しでも減らし、明るく健康な社会を目指して相談員が尽力してきた。
現在は150人弱が相談員を担うが、3台ある受け付け電話のうち24時間体制で対応できているのは2台のみ。事務局長は「最低でも1人30分はかかる。1日40件あまりの相談に対応しているが、それでも電話を置いたらすぐ鳴る」と話す。相談員はシフト制だが月2回、3〜5時間程度の活動頻度が主流で、電話3台で対応するには約230人が必要だという。
高齢化が一因
ピーク時は270人いたボランティアも年齢が上がり、50〜60代が9割を占める。家族の介護など生活環境の変化による減員、活動日数の減少が主な理由だ。一方、加入者は年間10人前後を数えるが、減員がそれを上回るという。
さらに、担い手不足が拍車をかける。以前は主婦のボランティアが多かったが、共働き世帯が増え、活動との両立が困難になるケースも。資格取得に約1年半かかることなどが、加入希望者の減少につながっている。
後継者獲得へ
こうした中、同団体では相談員不足の解消に向け、2つの対応策に乗り出している。まずは奈良県、福岡県の「いのちの電話」ですでに導入している若年世代への加入促進や、後継者育成のための取り組み。心理学を専攻する大学、大学院生を対象にサポーターとして参加してもらうという試みで、「川崎いのちの電話」でも市内大学に働きかけ、実現を目指している。
加えて、研修制度の見直しに注力する。これまで平日のみだった講習会を受講しやすいよう土曜日にも開講。その他、全国的には研修を通信教育でどこでも受けられるようにすることも検討されている。同団体では一人でも多くの命を救いたいという思いで、活動を広げようと模索している。
事務局長は「30年を機により多くの人の理解と協力をいただければ」と話す。川崎いのちの電話は【電話】044・733・4343。
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