和光大学の学生と麻生区岡上の農家、多摩区の醸造所など川崎市北部にゆかりのある法人や個人が協力し、誕生したクラフトビール「岡上エール」(ブルーベリー)の常設販売が、セレサモス麻生店で先月開始。学生が果物や野菜の栽培から携わり、商品化された。
和光大学の共通教養科目「地域デザイン」では、地元岡上地域の主要産業である農業を活性化させるため、生産のみではない農作物の加工品の製造などの推進に取り組んでいる。
2015年4月から授業で開始。学生が栽培した野菜や地元農家の協力で収穫した果実などを使ったビール作りを目指してきた。
学生らは農業生産法人(株)カルナエストや、多摩区の醸造所ムーンライト(株)と連携し、これまでにブルーベリーのほか禅寺丸柿、万福寺人参などの地元特産品をはじめビワ、トマト、カボチャなど約10種類の地元産の果物や野菜で試行、検討を重ねてきた。
その結果、18度から26度で酵母を1週間発酵させる醸造法により、ブルーベリーでさわやかな香りと深いコク、フルーティーな味わいを実現。ブルーベリーを使用した自然派クラフトビール「岡上エール」の第1弾が約200本製造され、セレサモス麻生店で常設販売されることになった。
同大学経済経営学部の小林猛久教授は「単に農産物をおろすのではなく、加工して付加価値をつけることで特産物が活性化していくことを学べる。学生たちも積極的に取り組んでいた」と話す。(株)カルナエストの山田貢代表取締役は「農業の可能性を広げるビールづくりになり、今回は非常に面白かった」と振り返る。
エールは上面発酵酵母を使用するビールの一種。ムーンライト(株)の地井悦子さんは「ブルーベリーの新鮮さを生かして作っており、甘みと酸味があって飲みやすい。収穫する農家や出来によって味は毎回変わるが、今年はおいしく仕上がった」と話す。
ブルーベリーの「岡上エール」の販売価格は1本(350ml)税込600円。禅寺丸柿を使用した第2弾も11月頃に発売予定という。
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