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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2018.09.07

生田地区町会連合会のキャラクター「仮面ウォーカーイクター」を生み出した
望月 幸夫さん
栗谷在勤 47歳

ヒーローに願い込め

 ○…生田地区の平和を守るヒーロー「イクター」。市職員として区役所生田出張所に異動してきた昨春から、1年以上かけて制作。デザインから型紙、塗装まで、すべて手作りだ。先月、多摩区の防災フェアに初登場し、生田地区町会連合会の広告塔として会場をにぎわせた。「子どもたちの反応が良かった。どうやって作ったんですかと聞かれたり」と手応えを語る。

 ○…ヒーローを作るきっかけとなったのは、交通安全への思い。今から十数年前、交通事故で父親を亡くした。「同じように悲しい思いをする人がなくなれば」と考える中、川崎区の田島支所で交通安全教室を担当。子どもに興味を持ってもらえる授業を目指し、たどり着いたのがヒーローだった。そこで制作した「タージマン」は、デビューとなった幼稚園の教室で予想以上の反響を得た。「生身の人間では聞いてくれないことも、ヒーローなら伝えられる」

 ○…横浜市出身。小さいころから仮面ライダーが好きで、2人の兄とごっこ遊びをした思い出も。「当時はアマゾンとかXとか。プラモデルも好きで」と懐かしむ。現在も横浜で兄らと三世帯並びに住み、甥っ子もヒーロー好き。朝は4時半起床と早起きで、娘が起きてくるまでが制作に取り組む時間だ。これからは来年度に向け、貸出用のイクター複製に取りかかる。

 ○…元々は市の警備の仕事が長く、20代半ばには現多摩区総合庁舎が完成する直前の仮庁舎で警備にあたったことも。「あの頃ピカピカだった庁舎を久しぶりに見て、自分も年をとったなって」と笑う。イクターは今月、秋の交通安全運動で生田地区の啓発活動に登場する予定だ。「タージマンでやりきれなかったことを、イクターでも伝えられたら」。内に秘めた思いを、ヒーローに託す。

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