八王子市は12月４日、現在実施している「住まいの防犯対策緊急補助金」の申請受付期間を延長すると発表した。当初は２０２５年12月26日までとしていた期限を、26年２月２日（月）まで約１カ月間延長する。市内で発生する特殊詐欺や強盗への対策として、防犯機器の導入を後押しする狙いだ。

　同制度は、東京都の補助金と国の交付金を活用し、個人住宅の防犯対策にかかる費用の一部を補助するもの。対象となるのは、市内に住民登録があり、24年９月５日から26年２月２日までの間に、市内の販売店などで防犯グッズを購入・設置した世帯。

　補助金額は、購入・設置にかかった費用の２分の１で、上限は２万円（１０００円未満は切り捨て）となる。対象品目は、昨今の強盗事件対策として需要が高まっている防犯カメラやカメラ付きインターホン、人感センサー付きアラーム・ライトのほか、家内の異常事態を知らせる警報ベル、窓に貼る防犯フィルム、庭先に撒く防犯砂利などが挙げられる。また、高齢者を狙った特殊詐欺の防止に効果的とされる迷惑電話防止機能付き固定電話なども対象だ。

前回利用者も申請可能に

　申請は１世帯につき１回限りだが、今回のポイントは、過去に実施された「八王子市住まいの防犯対策臨時補助金（23年〜24年実施）」を利用した世帯でも、改めて申請が可能である点だ。ただし、今年度（25年度）に本制度をすでに利用した世帯は対象外となるため注意が必要だ。

被害額５億円超

　期間延長の背景には、予断を許さない市内の犯罪状況がある。市によると、25年10月時点での特殊詐欺認知件数は86件で前年10月時点と同数だが、被害総額は約５億２６００万円に上る。これは、前年同時期の約２億１０７９万円から倍増している。また25年１月から10月の間に、侵入窃盗（90件）や強盗（７件）も発生しており、市担当者は「犯罪に強い街づくりを進めるため、この機会に自宅の防犯対策を見直してほしい」と話す。

　申請は予算上限に達し次第、受付を終了。問い合わせは市生活安全部防犯課【電話】０４２・６２０・７２８３。