市立川崎高校(川崎区)の小坂仁教諭が先月18日、日本サッカー協会(JFA)公認のS級コーチライセンスの認定を受けた。市内高校教諭としては初となる。
S級コーチはJFAの公認指導者ライセンスの最上位。Jリーグや日本代表の監督を務めることもできる。資格を得るにはA級コーチジェネラルの資格が必須で、さらにS級の養成講習会を受講するためのトライアルに合格する必要がある。
公認コーチはS級からD級まであり、2017年度の登録者数はD級4万5319人、C級2万8084人、B級4628人、A級1818人に対し、S級は先月13日時点で478人という狭き門だ。川崎市内の高校教諭としては唯一のライセンス保持者になる。
研修2年越し
小坂教諭は水橋高校(富山県)時代の恩師の影響で教員の道へ。サッカー指導者資格も地道に取得してきた。A級資格の講習時、プロとの力の差を実感したという。
さらに上のレベルを目指し、S級挑戦を決意。2016年12月にトライアルに合格し、研修を2年近く受けた。研修ではサッカー技術だけでなく、試合分析やコミュニケーション、プレゼンテーションのスキル向上のほか、マネジメント学など幅広く学んできた。「40歳過ぎですけど泣きました」と、課題クリアに苦しんだ研修を振り返る。
先月に認定を受け、合格を真っ先に知らせたのは家族。苦労を知る妻からは「よかったね、おめでとう」とねぎらいの言葉を受けた。
小坂教諭は「認定式で盾をもらった時は、ここからがスタートだと身が引き締まった。学校関係者をはじめ、いろいろな人にお世話になった。無事に資格が取れてホッとした。また、日本代表だった方などと同じステージに立つことの責任の重さも感じている」と話す。
S級を取り、まずは監督を務める川高サッカー部とU―16神奈川代表チームを強くすることが使命だという。地域のクラブなどから「練習を見てほしい」など依頼があれば、時間がある限り受けて指導に行き、地域に恩返ししていくつもりだ。
川崎高校の高井健次校長は「経験で得た専門的知識を、学校の中でクラスなどのチームづくりにも生かしてほしい」と期待を寄せる。
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