多摩区文化協会の会長を務める 余湖 英子さん 中野島在住 66歳
音色で継ぐ、代々の思い
○…伝統芸能やバレエ、生け花など、区内団体らが所属する設立50年の多摩区文化協会。中野島で藤本流三味線「音仁会」を主宰する身として、地域にも目を向けようと15年前に入会した。「芸事は厳しい世界なのに皆さん温かく、娘のように迎え入れてくれた」。会長に昨年就き、公演や地域の催し、文化を継ぐ講習会に取り組む。「市の文化祭でも多摩区はいつも大勢で全力投球。団結力がある」と魅力を語る。
○…高校生のとき、事業を営む父親に誘われた慰安旅行でのこと。芸者の三味線に合わせて父親が小唄を披露した。「まさか父が歌うなんて。それなら私が弾く」。すぐ東京で習い始め、その楽しさに没頭した。20代前半で名取になったが、披露前に父親が他界。それでも上へ上へとしのぎを削り、全国や海外で活躍するまでに。3年目になるギリシャ公演では、華やかな舞踊に勝る最大の拍手が送られたという。自然の素材を生かした和楽器で「日本の心」を届ける。
○…川崎区出身。姉と兄、弟に囲まれ、男子に交ざって野球をする天真爛漫な少女だった。「ガキ大将みたいな。50年ぶりくらいのクラス会で平謝りした」と笑みをこぼす。中野島で暮らして30年。近所の桜や日本民家園がお気に入りだ。近くに住む息子の妻は弟子の一人。「今、弟子は8人。ここでみんなが先生になるまで育てていきたい」
○…90年続く「多摩川音頭」の継承に対する思いは人一倍。「歌詞で地域の風土や歴史が全てわかる。若いころ作曲者に会ったこともあり、いろんな面で縁を感じる」。数少ない継承者から直に習い、会員に楽譜を提供するなど先導して動く。「地域の古い芸能は他にもある。独自の文化を、心して残さないといけない」。多摩区の郷土と受け継がれた技を、後世へつなぐ。
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4月19日