枡形中学校の生徒を対象にした「地域の寺子屋事業」が6月15日に運営を再開。今回から稲田中学校が新たに加わり、市内初の2校受け入れ体制で始動した。市内各所の同事業は新型コロナウイルスの影響で休止していたが、今後は活動再開に向け調整していく。
市立小・中学校単位で世代を超えた学びの場を提供しようと、市と地域が一体で取り組む寺子屋事業。市内56カ所目、中学校では5カ所目に稲田中が参入し、2016年から続く枡形中との合同寺子屋「まなてら」が始動。今年度、市内で最も早い15日に開講した。
コロナ対策で開館時間短縮中の児童館「すかいきっず」から宿河原会館に会場を移し、迎えた今年度初日。生徒への告知が当日だったこともあり、参加者はゼロだった。運営団体の委員長・池上紅実さんは「休校による子どもたちへの影響は大きい。一刻も早く再開したかった」と話し、「学習の格差を少しでも埋められれば」と意欲を見せる。
会場は原則、毎週月曜が宿河原会館、水曜と金曜は新川町会会館(登戸)で、午後7時から8時30分。中学生は小学生とは異なり事前登録は不要。課題や宿題などを各自が持参し、運営側の大人や学生が相談に乗るなど多方面でサポートを担う。
小学校も再開調整
市の寺子屋事業は2014年に開始。多摩区では枡形中と稲田中のほか小学校10カ所が対象校だ。他校に先駆け、中野島小で寺子屋を運営してきたNPO法人かわさき創造プロジェクト理事の大下勝巳さんは「学校の事情を最優先に、安全面に十分配慮しながら活動再開を協議していく」と話す。今年度、新規開講予定だった東生田小の実行委員会では、活動開始について24日に話し合うという。
小学校の寺子屋は登録制で事前募集を行う。市教育委員会によると、各所の再開は7月から9月ごろの見通しだ。
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