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多摩区版 公開:2021年4月2日 エリアトップへ

声優の夢 障害と歩む こばやしこのみさん ラジオドラマ出演

文化

公開:2021年4月2日

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完成したCDを手にするこばやしさん(右)とナヲキングさん
完成したCDを手にするこばやしさん(右)とナヲキングさん

 コミュニティ放送・かわさきFM(79・1MHz)内の番組で今年1月から放送されている、川崎市を舞台にしたラジオドラマ『w(ar)nder world(ワンダーワールド)』。「鬼滅の刃」「ジョジョの奇妙な冒険」「NARUTO」等に出演する著名な声優陣がそろう中、オーディションで新人声優も起用されている。その一人が、市内で生まれ育ち、「性同一性障害」と「発達障害」に向き合う、こばやしこのみさん(26・菅在住)だ。=人物風土記で紹介

 中高時代からネットラジオに取り組んだり、養成所に通ったりと、声優を志してきたこばやしさん。トランスジェンダーの自身が主人公のドキュメンタリー映画(2019年)では、ナレーションを務めた。「実績はこのナレーションだけ。探してはいたけれど、『〇歳以上の男性』とか性別の条件があって、自分に当てはまらない役がほとんど」。そんな中で昨年、今回のラジオドラマの声優募集を発見。「川崎だ、と思って。縁を感じた」。性別記載もなく、初めて自ら手を挙げた。

 川崎市を舞台に、特殊な能力を持った少年少女が正義を守るために争う姿を描く今作。企画・制作を手掛けたナヲキングさん(40)は「(こばやしさんが)川崎への思いをメールで送ってくれて、熱意を感じた」と振り返る。発達障害による適応障害の症状から稽古が難しくなったこともあったが、ナヲキングさんがメールや録音音声での演技指導に切り替えるなど工夫。1月22日に無事収録を終えた。こばやしさんは「やり方を配慮してくれて、理解できるように細かく教えてくれてありがたかった。声優は自分の力だけではできない」と、感謝の思いを語った。

 ラジオドラマ「ワンダーワールド」は毎月第4木曜日、午後7時からの番組「ぐるっ人川崎」内で放送。12月23日までの全12話。次回は4月22日、こばやしさんも出演している第4話を公開する。全話収録のCDも先月発売。

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