市内の地名の由来や沿革をまとめた30年前の書籍『川崎の町名』の改訂作業が、このほど始まった。市制100年に向けて、2024年6月の刊行を目指す。
同書は川崎市が日本地名研究所(高津区)に委託し、1991年に発行。研究員だけでなく文化活動を行う市民団体の協力も得て、文献資料の調査やフィールドワークを重ね10年かけて編集したものだ。
改訂ではこの30年の市内の変貌や、その後の調査で明らかになった事柄などを加筆する。中原区や高津区に多いという発刊以降に住居表示が実施された地域や、開発に伴って新たにできた町名、アクアライン開通以降の湾岸エリアの新事業を中心に進めていく。
同研究所は今回、一般市民からも改訂作業の参加者を募集。9月に行われた説明会には40人ほどが参加した。事務局長の菊地恒雄さんは「大学生や30〜40代など若手の協力者もおり、市民一体となった活動を形に残せるのでは」と期待する。栗谷在住の郷土史家で、地名の研究を続ける山口醇さんは「アドバイザーとして地名に関する提言をしたい」と、「登戸」の語源についても新説を唱える=関連寄稿。
今後は学習会を開き、分科会を組織して7区の作業を分担。旧版の読み合わせや修正・加筆箇所の抽出を行い、今年度末に中間報告を予定する。
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