多摩区・麻生区 トップニュース社会
公開日:2022.03.25
向ヶ丘遊園の会
閉園20年、活動重ね
跡地計画と共に 800人の力
花と緑の遊園地として75年にわたり親しまれた「向ヶ丘遊園」(長尾)が、3月31日で閉園から丸20年になる。閉園直前に始動した市民団体「向ヶ丘遊園の緑を守り、市民いこいの場を求める会」(薬袋奈美子代表)もまた、設立20周年を先月迎えた。団体名に込められた跡地への思いを胸に、土地を所有する小田急電鉄(株)や川崎市への働きかけを続けてきた。同社が進める跡地利用計画に期待を込め、新たな一歩を踏み出す。
通称「向ヶ丘遊園の会」は2002年3月の向ヶ丘遊園閉園に先立ち、同年2月に結成。最終日には向ヶ丘遊園駅前で同園敷地の緑地保全のための署名運動を行い、約4時間で3417筆が集まった。同会の事務局長、松岡嘉代子さん(74)は「多くの方にご協力いただいた。思い出深い」と懐かしむ。
跡地の緑地保全と憩いの場の存続に向けた合意形成運動を掲げ、勉強会等を重ねてきた同会。設立20周年に合わせ、先月発表した声明文では、会員約800人と120の賛同団体の力が集まったことに感謝し、「跡地の全ての再生が終わるまで、私たちの活動は続く」とつづる。
跡地利用について、小田急電鉄と市は04年に緑地保全や市民への開放を盛り込んだ基本合意を交わしている。同社はマンション計画を2度策定。見直しを重ね、「人と自然が回復しあう丘」をコンセプトに、約16万2千平方メートルの開発区域に温浴施設と商業施設、自然体験施設をつくる新計画を18年に発表した。23年度中の完成を目指し、当初は21年度に基盤整備工事に着手予定だったが、来月以降に着工可能となる見通しだ。
松岡さんは「この20年は感慨深い。活動に対する反応も大きく、行政から期待を受けながら、小田急とも友好的な関係を築くことができた」と振り返る。活動を始めて2年後には、「ばら苑とその周辺の敷地7・4ヘクタールを市が購入したことが最初の大きな成果だった」とも。その後も「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」の開館など、緑が守られ、求めていた場づくりが着々と実現されてきた。
小田急電鉄の新計画に対し、松岡さんは「緑豊かな生田緑地にある新しい市民の憩いの場になると思う。無事に完成する日を心待ちにしている」と期待を膨らませる。
ピックアップ
意見広告・議会報告
多摩区・麻生区 トップニュースの新着記事
コラム
求人特集
外部リンク
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!












