花と共に、思い継ぐ
○...江戸時代初期に創建された妙楽寺。父親が半世紀前に植え始めたアジサイを継承し、いつしか千株の名所に。「知らないうちに『あじさい寺』が定着してしまった」と笑う。毎年手入れを欠かさず、今年も30株以上を植え替えた。剪定は植木屋の力を借りる。「おいでいただいた方に気持ちよく帰ってもらいたい」。週末のあじさいまつりに思いを寄せる。
○...7人きょうだいの長男。終戦の5歳までは「つつじ寺」として有名な等覚院(宮前区)で過ごし、妙楽寺へ。大学卒業後、川崎市役所に入庁した。土木関係から教育委員会へ移ると、市美術展に第1回から携わり、著名な芸術家とふれあった。高津区役所を経て1979年、先代の跡を継ぎ家業一本に。住職としての転機は93年、檀家から鐘と鐘楼堂の寄付を受けた。以来30年近く、春夏秋冬毎朝6時、お経を上げて鐘をつく。除夜の鐘も恒例行事になった。「鐘のおかげで、坊さんの端くれの仲間入りができた」と目を細める。
○...1男3女に恵まれ、母校・稲田小PTA副会長や長尾小PTA会長を歴任。罪を犯した人の更生を支える保護司も28年間務めた。70代は多摩区保護司会の初代会長や、天台宗のおよそ100カ寺が属する神奈川教区宗務所長として忙しく活動。今は「寺の住職だけ」と、穏やかな日々を過ごす。妻と各地の雪見露天風呂に足を運ぶことが年に一度の楽しみだ。
○...アジサイに限らず、お寺としての間口を広げ落語会や写経会にも取り組んできた。「いろんな方に来ていただいて、お寺の雰囲気を感じてほしい。先代も喜んでくれていると思う」。より開放された場を模索しつつ、「跡を継ぐ人間がやってくれるでしょう」とほほ笑む。きょうも、鐘の音に心を込める。
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