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公開日:2023.01.20
川崎北部医療機関
感染症 危機備え訓練
多摩病院ら、行政と連携
川崎市北部の医療機関や保健所による感染対策合同訓練が1月14日、市立多摩病院で開催された。適切な医療の提供や行政との連携を確認し、課題を抽出する机上訓練で、同形式での実施は初めて。同院の長島梧郎病院長は「国内でもまれな総力を挙げての訓練。川崎から全国へ、規範になれば」と先を見据える。
市内で新興・再興感染症が集団発生したことを想定した同訓練。会場には多摩病院と聖マリアンナ医科大学病院、新百合ヶ丘総合病院、麻生総合病院の医療従事者に加え、多摩区と麻生区、宮前区の保健所、市健康安全研究所職員ら計約40人が参加。市医師会会員の開業医など52者がオンラインで視聴した。
訓練は40分間で、各医療機関が架空のクリニックまたは総合病院の役割を担当。何らかの症状を呈する患者が受診したとして対応を検討し、各施設や行政との連携を確認した。グループ間の連絡は電話に限り、現実に近い状況で行われた。
参加者は診断や検査の要点、保健所に伝えるべき事項など各対応について課題を共有。進行役を務めた市健康安全研究所の三崎貴子さんは「一つひとつ細かな課題をクリアしていくことがこの訓練の意義。今後どう対応していくべきか考えていくチャンスになった」と振り返った。市健康福祉局の小泉祐子さんは「各立場の関わり方の違いなど、今まで見えていなかったところが見えた」と手応えを話した。
協議会から全国へ
今回は、多摩病院の長島病院長が代表を務める「KAWASAKI地域感染制御協議会」の訓練として実施。新型インフルエンザなどの感染症や薬剤耐性菌について、感染制御を地域の中で対応するため2011年に発足した協議会で、市内の主要医療機関が所属。市病院協会の一事業として、各施設の感染制御上の問題点の共有や情報交換を重ねてきた。
市北部での同訓練は昨春から準備を進め、8月のプレ訓練を経て実現。これを踏まえ、南部での開催も今後予定しているという。長島病院長は「防災と違い、感染症に対する訓練は形になっていない中、今後こういう訓練が国内のスタンダードになると思う。来年、再来年と続くことを期待している」と語った。
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