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公開日:2026.02.27
専修大学
「たまのと」ビールで結ぶ縁
ホップ栽培で交流
多摩区と能登をつなぐビールで交流を――。専修大学生田キャンパス(多摩区)では、能登半島地震で被災した石川県能登島の住民と学生が共に育てたホップを使い、クラフトビールを完成させた。「人と人、まちとまちがつながれば」と学生らは思いを語る。
同大ネットワーク情報学部まちづくりGDXラボ(佐藤慶一教授)が手がけたもの。まちづくりの一環として学内で育てた植物を地域に展開する取り組みを進める中で、ビール好きの学生の発案でホップ栽培に着手。50株を育て、登戸の園芸スペースや福祉施設に地植えするなど活動を広げていた。佐藤教授が災害復興について研究していたことから、被災者の孤立や引きこもり予防などを目的とした石川県の「地域コミュニティ再建事業」として今年度に行うこととなり、七尾湾に浮かぶ能登島が実施場所になった。「もともと高齢者が多い地域で、仮設住宅では特に年配の男性ほど引きこもりやすい傾向にある。ビールは交流ツールとしていいのではと考えた」と佐藤教授。ホップの栽培を通じて住民同士が交流することで、復興に向けたコミュニティーづくりを目指そうと、能登島の仮設住宅での栽培が始まった。
住民と協力
学生らは、最初に10時間ほどかけてキャンパスから現地まで車で株を運送。その後も栽培棚の設置や、育成収穫、保存方法の説明などのため、学生らは定期的に現地を訪れた。48軒全世帯を1軒ずつ訪問して自作のチラシを配り、取り組みを説明して会話を重ねる中で徐々に心を通わせた。「活動を見に来たり参加してくれる人も増え、『いつもありがとう』と声をかけられることも増えた」とメンバーの佐野美咲さん。キャンパス内では、IoTを活用した自動水まき機を開発して栽培を効率化。秋には、合わせて1・7kgほどのホップを収穫した。
大学近隣のビアバー「Monkey Wrench」(モンキーレンチ)の代表・今野英樹さんの協力を得て、学生たちは併設の醸造所でビールの製造にも参加。今野さん開発のレシピのもと生のホップを使い、苦みを抑えたフルーティーな味わいのビール400リットルほどが完成。「多摩」と「能登」をつなぎ、被災地への応援の意味も込めて『たまのとエール』と名付けられた。
「日常に元気を」
ラベルにはキャンパスや栽培の様子、仮設住宅などがイラストで描かれている。「自分たちが活動してきた風景や、お世話になった方々、今後の姿を表現したかった」とデザインを担当した枝川美月さん。1月には完成披露を兼ね、現地と多摩区の両会場をオンラインでつなぐ防災交流イベントも実施。合わせて80人ほどが集まり、被災・避難当時の体験談に耳を傾け、完成したビールで乾杯した。能登で参加した枝川さんは「関わってくれた皆さんが来てくれて、完成をとても喜んでもらえてうれしかった」と笑顔を見せる。佐野さんは「ビールは人と人、まちとまち、人とまちをつなぐと実感した。ホップやビールを媒介に、いろいろな人がつながって日常に元気が出ればいい」と振り返った。
たまのとエールは、モンキーレンチで販売中。瓶、樽共に売り切れ次第終了となる。
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