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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2023.11.10

多摩区保護司会の会長を務める
小林 秀夫さん
登戸在住 71歳

人は支えあって生きる

 ○…保護司は犯罪や非行をした人の更生を支える地域のボランティア。全国定数は5万2500人で、886区域(保護区)に配属される。31人(定数34)からなる多摩区保護司会の会長に今春就任。「歴代の会長ほどの経験はないので不安もあるが、会員の皆さんが盛り立ててくれて心強い」と微笑む。課題は人材確保。2030年度までに会員の6割が76歳の定年を迎える多摩区の現状を危惧し「まず保護司の活動を周知することが大事。自治会や町内会、関連団体と連携しながら啓発を繰り返し、輪を広げたい」と決意を示す。

 ○…知人の紹介で11年前に保護司の委嘱を受けた。基本的には一人の保護観察対象者と定期的に面接を重ねる。相手と真摯に向き合うため「メモは極力取らない」、心が和むよう「真正面に座らない」など細かい気配りを忘れない。「最初は互いに口も軽やかには動かないが、何年もお付き合いすると仕事や家庭のことなどいろいろと話してくれるようになる。人と人との出会いだから。話をして気が楽になった、と思ってもらえれば」

 ○…辺り一面、梨畑や水田に囲まれた登戸の農家に出生。季節がめぐるたびに手伝った梨もぎは今も「お手のもの」だ。50歳の時に公務員を退職して就農。JAの活動や市の農業委員などに奔走した。人権擁護委員としての顔も持ち、地元では長念寺の総代を務めるなど多忙な日々を送る。

 ○…人手不足などの社会背景から定年退職後も仕事を続ける人が多く、保護司の担い手はもとより、地域で活動する人が少なくなったと感じる。「いろいろなボランティアがある。時間に余裕がある方には関わってもらえたら、人と人が支えあいより良い社会になる」とそのまなざしは明るい未来を見つめている。

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