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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2023.11.24

三田小寺子屋で継続して児童に落語を披露している
春風亭 朝之助さん(本名:漆畑 雄介)
中野島在住 39歳

寄席のライブ感 伝えたい

 ○…三田小寺子屋で児童に落語を聴かせている。「落語とは」から小噺、そばのすすり方までおどけつつ、親しみを込め、本気で。「子どもは素直。少しでも分からないと反応してくれない一番シビアなお客さん。こちらが勉強になる」と真剣なまなざし。寺子屋運営者との縁で7年ほど前に始まった取り組みはコロナ禍の休止を乗り越え復活。「生で聴いてもらえる貴重な機会。落語を知るきっかけになれば」と継続に意欲を見せる。

 ○…幼少の頃は引っ込み思案でおとなしい性格だった。地元静岡の高校から進学した國學院大學でたまたまのぞいた落語研究会の楽しげな雰囲気に惹かれて入会。たびたび寄席へ足を運ぶうち、「あの高座にのぼれたら」と思いが膨らんだ。反対する親を説得し、寄席で魅力的だった春風亭一朝さんに入門。30歳で二ツ目に。今年9月には旬な二ツ目が話芸を競う「北とぴあ若手落語家競演会」で奨励賞を受賞。来年9月、真打に昇進する予定だ。

 ○…5年ほど前に中野島へ。「たまに家で稽古すると、5歳の息子がすぐに寄ってきて阻止される」とうれしそう。多摩川の河川敷を歩きながらネタをそらんじることがよくあり「少しおかしな人に見えているかも」と微笑む。趣味の食べ歩きはまだまだ未開拓。「登戸も開発中でこれからが楽しみ」と注目する。

 ○…古典落語を好む。間抜けでおなじみのキャラクター・与太郎が登場する滑稽噺がお気に入りだ。「落語の世界の人たちは与太郎がどんなに失敗しても見捨てない。優しさと人情味に溢れている」と魅力を説く。「寄席が好きで入った世界なのでもっと寄席に出て、こんな落語家がいるんだと知ってもらいたい。地域での高座も増やせたら」と目を輝かせる。

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