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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2024.03.01

2023年度「第36回川崎市自治功労賞」の受賞者に選ばれた
近藤 清さん
中野島在住 79歳

人の声拾い、活動を前へ

 ○…約350世帯が加入する中野島団地自治会で、2009年から会長を務める。「仲良くすることが活動をスムーズにする秘訣」と信じて、防災や美化、親睦会企画など、さまざまな取り組みを前に進めてきた。人の話を聞く姿勢を大切にする。「多くの人と出会い、学びを深めてきた。それは、人生のかけがえのない財産」と振り返る。会長を続けてこられたのは、多くの喜びがあったから。そんな思い出の数々が受賞を受けて蘇ってきた。「地域への活動は生きる力だよ」

 ○…大工だった父の影響で手に職をつけたいと、工業高校の電気科へ。卒業後は、電気設備の設計などに携わってきた。43歳で独立、一国一城の主となった。相手の目線に立った設計を心掛け、活躍の幅を広げていった。「朝から晩まで働いた。仕事人間だったな」と回顧した。

 ○…65歳で仕事に区切りを付けた。それまでは地域との関わりは薄かった。「住んでいる地域のために、恩返し」という思いで会長に着任。「前会長が体制をしっかり作ってくれていた。2年くらいかなって軽い思いで引き受けた」とにこり。話し合いを重ねるうちに、見えてきた多くの改善点。「今、住民から何が求められているのか」。そんな視点を持ち、仲間と行動してきた。「辛い」「大変だ」と思ったことは、ほとんんどない。「ただ、能天気な性格なだけ」と周りを笑わせる。

 ○…「育児も家事も妻に頼りっぱなし。感謝しかないよ」と口にした。毎年、紅白歌合戦を見終わると、家族4人で川崎大師へ向かうのが恒例行事。商売繁盛と家族の健康、幸せを願った。子どもは巣立ち、今は妻と野球を観戦するのが趣味。地域に、家族に、まだまだ恩返しは続いていく。

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