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公開日:2025.07.11
禅寺丸柿保存会
「最古の甘柿」後世へ
発足30周年 思い新たに
今年、発足30周年を迎えた柿生禅寺丸柿保存会。「日本最古の甘柿」ともいわれ、地域経済を支えた恩恵や歴史的価値を守ろうと設立された。6月に新たに就任した長瀬敏之会長に、活動と今後への思いを聞いた。
禅寺丸柿は、建保2(1214)年に王禅寺(麻生区)の山中で発見されたとされ、その歴史は800年を超える。実の甘さが評判を呼び、1650年頃には手車に柿籠を乗せ江戸まで出荷されるなど、地域の貴重な収入源となった。「柿生」の地名の由来ともいわれ、最盛期には名古屋まで出荷されていたが、新品種の登場や都市化による柿の木の減少により徐々に衰退。一時は消滅も危惧されていた。
保存会は、こうした事態を受けて1995年6月に地元有志らにより発足。地域の名産である禅寺丸柿を後世に引き継ごうと、原木の手入れや小中学校への植樹などさまざまな保存活動を行っている。現在会員は107人。発足時から携わる長瀬会長は「先代たちの郷土愛で発足した会。30年の節目も全力で活動にあたっていく」と表情を引き締める。今年は、10年ごとに行っている現存する本数調査や、10月21日の「禅寺丸柿の日」に記念式典も予定。収穫時期に行われる禅寺丸柿まつりや区民祭りへの出荷に向けて、準備を進める。
周知にも尽力
市場にはほとんど流通しない希少価値もあり、人気が復活した禅寺丸柿だが、近年では高齢化や温暖化による気象の影響で収穫数は大幅に減少。97年に始まった禅寺丸柿ワインの製造も、2020年に終了している。長瀬会長によると、禅寺丸柿を原材料にしたサイダーやドライフルーツなども構想し試作したというが、商品化には至らず、新たな一手を探っているという。
会としては麻生区と麻生観光協会が行う柿もぎ体験や、周年を迎えた学校に配布する禅寺丸柿の冊子寄贈にも協力し、周知にも力を尽くす。「子どもたちや若い世代にも知ってもらい、興味をもってくれる人も一緒に管理していくような仕組みを考えていきたい」
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