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公開日:2025.07.18
麻生区の里山保全団体
地産の木炭で市庁舎消臭
緑化フェア 遺産広がりへ
麻生区で里山の保全などに取り組み、活動の中で伐採材の炭焼きを行っている早野聖地公園里山ボランティア(小林昌幸会長)はこのほど、「全国都市緑化かわさきフェア」での川崎市との連携をきっかけに、市庁舎の一部のトイレに消臭用の炭を設置した。市制100周年の象徴的事業として開催され、行政と市民が一体となってさまざまな取り組みが行われた緑化フェアのレガシー(遺産)が今後、市内で多様な展開を見せそうだ。
今年4月13日に閉幕した緑化フェアには、多くの市民、団体、企業らが参加し、イベントを盛り上げた。同ボランティアも、その中の一つだ。
同ボランティアは、麻生区早野の市営霊園「早野聖地公園」内で、清掃や下草刈り、篠竹刈り、間伐、植樹植栽、生物の繁殖環境の確保など、里山の保全に26年にわたり取り組んでいる。中でも特徴的なのは、活動エリアにある小屋で間伐材を使って実施する炭焼き。広報担当の小泉清さん(77)によると、毎年冬に1トン以上の炭を作るという。焼いた炭は湿地帯の水質浄化や土壌改良に活用。二ヶ領用水久地円筒分水でも水質の改善に利用されている。加えて炭はにおい消しとしても役立てられ、数年前から麻生区役所や市民館、図書館、近隣にある東柿生小学校、虹ヶ丘小学校のトイレの消臭剤として提供されている。「炭は呼吸する。昔は湿気取りにも使われた。湿度が高ければ湿気を吸い、乾燥していれば水分を放出する」と小泉さんは話す。
トイレ12カ所に
今回の取り組みのきっかけは、緑化フェアの春開催時に等々力会場で企画された「五感の植物」の展示の中で、同ボランティアが焼いた炭を消臭剤として市に提供したこと。そのつながりから、同ボランティアが市庁舎への設置を提案。復元棟1階から3階と、本庁舎25階展望フロアの男女およびバリアフリートイレに6月頃から、籐かごに入った炭が設置されることになった。かごは麻生区の団体「籐・手工芸ふきのとう」が作った。
緑化フェアへの思いや醸成した緑への意識を未来へつなげるため今年度創設された市グリーンコミュニティ推進室の担当者によると、今回の取り組みのほかに市は、市立小中学校と特別支援学校全170校で昨年フェア会場などに植栽した花苗づくりを今年度も予定。育てた花苗を学校の周りの花壇などに植える取り組みを実施する考えだという。担当者は、「緑化フェアを契機に取り組みが生まれたり継続したりしており、これから動き出すものもあると思う。フェアでテーマとしていた『みどりで、つなげる。みんなが、つながる。』を今後も続けていきたい」と話した。
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