中原消防署 伊豆大島に救助隊を派遣 「経験を今後に生かす」
中原消防署の職員が、台風26号で大きな被害を受けた伊豆大島に10月19日から22日まで派遣され、行方不明者の捜索活動を行った。
活動にあたったのは、板垣憲明特別救助隊長、上田正憲さん、小林真人さん、宮戸嵩志さん、伊藤俊介さんの5人。大島町では10月16日の台風26号の影響で土砂崩れがおき、山川から海に向かって約114ヘクタールにわたり被害を受け、30棟以上の住宅が全壊および半壊。死者28人、不明者22人(10月19日時点)の被害が出ていた。同署の5人は、消防庁長官からの川崎市緊急消防援助隊の出動要請を受け、第5次派遣隊として土砂崩れが起きた大島町で捜索活動を実施。重機や手探りで流木などを取り除きながら生活の痕跡を辿り、行方不明者の捜索を行った。板垣隊長は、「被災エリアは広くどこから手を付けてよいのかわからない状況だった」と話し、マーキングをしながら一カ所一カ所地道に作業することが求められたという。
現地では地元住民と接する機会も多く、住民らは被害の恐ろしさを「山津波に遭った」と表現していたという。また通常土砂崩れの兆候として、木の根が切断される音や岩がぶつかる音などがするものの「豪雨の音にかき消され全く分からなかった」と避難が遅れてしまった理由を話していたという。
現地から戻った署員は「重要な任務であり、地域住民を災害から守るための貴重な体験になった」と話す。
25年前には、中原区と隣接する高津区蟹ヶ谷で、土砂崩れが起きており、15名の隊員が土に埋まり、死者も出たことがあった。井田地区は急傾斜地が存在するため、今回の経験を警戒活動に生かしたいとしている。実際に同署では10月26日の台風27号の際は同地区の警戒パトロールを強化した。中原消防署では「今後も市民の皆様の安全を守るため尽力したい」としている。
|
|
|
|
|
|
4月26日
4月19日