「神奈川県うまい豆腐コンテスト」で、2部門で優勝した『越路屋豆腐店』の 上重 一正さん 木月在住 44歳
豆腐一丁に魂を込めて
○…県内の美味しい豆腐を品評するコンテストで、「絹豆腐」「津久井在来豆腐」の両部門で優勝した。同業の仲間から誘われ出品。「自信が無かった訳じゃないけど、びっくりした」と本音を漏らす。審査員は豆腐マイスターら30人で、うち一人が兄貴と慕う師匠だった。審査後、どれが誰の豆腐か分からない中で「『お前の豆腐はあれだろ。気合い入れ過ぎだよ』って。前に食べてもらった味を覚えていてくれ、評価してもらえ嬉しかったですね」。
○…地元で50年以上続く豆腐屋の3代目。「物心ついた頃から祖父や親父の手伝いをしていましたね」。それでも、跡継ぎを頼まれたことも自ら継ぐ意思もなかったが、見て触れるうちに自然と豆腐作りの技術が身についた。「厳しい時代でもお客さんが足を運んでくれる」―。いつしか都内の有名店へ修行に出掛けたり、豆腐屋の集いに参加したり。「同じ志をもつ人の話を聞くと、より美味しい豆腐を追求したくなる」と職人気質。「手を抜くとダイレクトに味や見た目に表れるほどデリケート。材料をケチらず、丁寧に作ることが私のモットーですね」。
○…生まれも育ちも中原区。取引先で知り合った夫人との間に2人の息子が誕生。「7歳の長男がタオル巻いて前掛けして手伝ってくれて」と目を細めつつも、4代目については「本人次第」。趣味の釣りは、深夜に出掛け日の出から糸を垂らすほど好きだが、食べるのは苦手。「刺身もあんまり。釣っても近所の人にあげます」と苦笑い。栄養士の夫人は、家族の食卓は勿論、豆腐の味を日々確認する役も。「いつも感謝です」
○…近くの木月小で毎年豆腐作りを児童に体験させ10年余り。「豆腐嫌いだった子が好きになったりすると嬉しいし楽しいですね」。夢は、地元の人にとって自慢の豆腐屋になること。「毎日1丁でも買いにきてくれるお客様を大切にし、独自性を出してこだわりを持ち続けていきたいですね」。
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4月19日
4月12日