全国の小中高校で事故が多発している組み体操について、スポーツ庁は先月25日、事故防止の徹底を求める指針を各都道府県教育委員会に通達した。これを受け、川崎市教育委員会も、春の運動会・体育祭での実施を見据え、「安全を十分に確保した上で実施の判断をする」とした通知を、市内各校に出した。
年間で事故8000件
組み体操には、背に乗る「ピラミッド」や肩の上に立つ「タワー」など、下支えの人にかかる重さや、一番上に立つ人の高さが、けがの原因となる大技も多い。全国では年間8000件を超える事故件数が報告されているという。
川崎市内では2013年5月、柿生中学校(麻生区)で、組み体操の練習中にタワーが崩れて、7人の生徒がけがをした事故が発生している。
事故の続発を受け、全国では対策を打つ教育委員会も現れている。東京都教委は、「ピラミッド」と「タワー」の今年度の実施を休止。段数制限や組み体操廃止の方針を示した教委もある。
川崎市の通知には組み体操実施についての明確な基準は示されず、各校の判断に委ねられる形となる。教委への実施報告義務はない。市内の小中高175校のうち、昨年度組み体操を行ったのは8割程だという。
「十分な安全」条件に
川崎市教育委員会は「無理のない指導計画を立てるなどの周知徹底を図った。組み体操の実施は、十分な安全を確保できた上でのこと」としている。
区内で一番児童数の多い大谷戸小では例年通り5月末に運動会で組み体操を実施する予定だという。石塚綾子校長は「基礎体力をつけるためにも組み体操は必要だと考えている。見栄えだけを狙ったものではなく、一人一人の運動機能に合わせ、無理のないように配慮する」と話している。
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