川崎市交通局では、ブレーメン通り・オズ通りの両商店街を運行するバス路線を廃止する届出を、6月28日に国土交通省に提出したと発表した。運行する上で安全確保ができないことが、廃止する主な理由。今年12月28日に正式に廃止となる見通し。
廃止されるバス路線は、井田停留所からブレーメン通り商店街を経由し元住吉駅へ運行するルート。狭あい道路のため歩行者が多く近隣小学校の通学路にもなっていること、またバス運行中の事故が2007年から10年までの3年間で6件発生しており、「危険度が高い」と市が判断したことなどが廃止の理由だ。
しかし、この路線は既に運行していない。2011年4月までは午前6時前の始発から午前9時半の時間帯のみ運行していたが、綱島街道のやぐら橋架け替え工事に伴い同年5月から木月4丁目交差点を経由する路線に変更。翌12年9月に工事の区切りがつき運行可能となったものの、商店街などから安全確保ができないことなどを理由に、木月4丁目交差点経由での運行を継続する要望が出された。これに市も同意し、現在に至っている。
しかし、この判断に、当初のバス路線を利用していた住民らは猛反発。木月4丁目交差点を経由する路線の利便性の低さや、商店街の道路適正利用により安全性が確保できること、バス路線が主な通学路になっていないことなどを主張し、運行再開を求め市議会に請願を提出した。その後、市は説明を重ね、路線廃止に伴う代替策として、駅への路線延伸や増便、井田エリアの乗継便の増便、タブレット型運行情報表示器の設置など、利便性向上に取り組んできた。
それでも、運行再開を求める住民らの理解を得られることはなく、市は双方の主張がまとまらないと判断。元住吉駅利用者も5年前と比べ約4000人増えていることなどから、安全性の確保がより困難になってきているとし、市は廃止の届出を決断した形だ。
市担当者は「6月28日に国交省に提出し、12月28日に廃止になる見通し。市としては輸送における危険度が高いため、安全性の確保が困難であると判断した」と話している。
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