創立70周年を迎えた一般社団法人川崎中原工場協会の会長を務める 矢野 和昭さん (株)平山ファインテクノ 相談役 72歳
行動力で勝負する人生
○…町工場や飲食店など異業種が集う川崎中原工場協会の会長を務め5年。就任当時、減少の一途を辿っていた会員が250社を割ったことに危機感を抱き改革に着手した。労務管理や事務手続き代行などの業務に加え、若手、ものづくり、女性活躍に特化した3つの委員会を新たに発足。横の繋がりを強化し情報共有を活性化させ、会員も270社に盛り返した。それでも「昔ながらの町工場は後継ぎ問題などでジリ貧。地域や企業の活性のため協会が担う役割は大きい」と気を緩めない。70周年は通過点。100周年を見据え、会員300社が当面の目標だ。
○…中央大卒業後に大手企業に就職するも、義父が経営する平山彫刻所(現・平山ファインテクノ)に転職。社名やロゴ、ラジオ周波数の目盛りなどを彫る業務などを請け負い、「空気と水以外は何でも彫る」を合言葉に業績を伸ばした。今は通信やネットワークに必要なプリント配線板の設計・製造へと業態を変え、1997年から14年間は社長として手腕をふるった。「中小企業に必要なのは、世の中の変化に対応できる力」
○…実家は東麻布にあった矢野靴店。「当時皮は配給物だった。裁断しステッチで縫う両親の横で、かかと修理などを手伝ったね」と懐かしむ。小学校から大学まで卓球を続け、世界選手権出場メンバーが集う強豪校でマネージャーとしても活躍した。今、たまの休みは孫との遊びで大忙し。「奥さんだけに任せるわけにはいかないしね」と笑う。
○…座右の銘は訥言敏行。「色々ものを言うよりも行動に移すことが大切」。70歳を過ぎても、変わらぬ思いだ。「地域のために少しでも力になるのであればやる。時代や環境の変化に対応できる団体にしたい」。先を見据える眼差しは熱い。
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4月19日
4月12日