川崎を拠点に活動するアイドルグループ「ハニートラップ」を手掛ける 本間 辰輔さん (株)グレイスフルマインド代表 38歳
「人のため」貫く熱血漢
○…「歌やダンスが下手でもいい。ビジュアルも関係ない。大切なのは人間性。そこは日本一だと自負している」。求めるのは、アイドルである前に一人の人間であること。6年前、共同経営により秋葉原で15人のアイドルグループをデビューさせたが、人間関係のもつれからわずか一年で分裂。解散も考えたが、一生懸命夢を追うメンバーの姿に「放っておけなかった。自分が同じ立場なら応援する大人がいてほしい」と引き受けた。人のために、が根幹だ。
○…飲食店など区内で4店舗を経営し、メンバーも従業員として働く。「社会経験は大切。上京させた親御さんを不安にさせられない」。他の従業員もほぼ全員が以前からの知り合い。時には叱り、時には悩みを聞く、一人ひとり真剣に向き合う「父親らしさ」が慕われる理由だ。
○…幼少の頃、父が交通事故を起こし生活が一変。「家計が苦しくなり電気やガスも止まって。5人家族で狭い家に引っ越し、母も働きづめ。家にいたくなかった」。次第に生活は荒れ補導もされたが、母だけは見捨てず寄り添い続けた。「何度頭を下げてもらったか…」。そんな母がコロナで厳しい経営状況を憂い、なけなしの預金通帳を手渡してきた。「今も心配してくれて。涙が出そうになった」。1歳の孫と遊ぶ母の笑顔に、「少しは親孝行できたかな。苦労してきた分、幸せになってほしい」。
○…生まれ育った新城のまちの変化に期待を寄せる。「若い人の活気を感じる。新城西通りは昔よく遊んだ思い出深い場所。自分も一人の駒として地域に恩返しできたら」。ただ一貫しているのは、一歩後ろから人を支える姿勢。「会社を大きくしたい気持ちもない。周りの人の夢を叶えることが自分の幸せ」
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4月19日
4月12日