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中原区 意見広告

公開日:2021.07.30

市政報告
児童・生徒の視力低下と三歳児・就学時健診について
川崎市議会議員 松原しげふみ

 児童生徒に対し、一人一台のデジタル端末を配備する「GIGAスクール構想」が完了し、小中学校に於いては端末を授業で活用する場面が増えております。今後はデジタル教科書の本格導入に向けて、文部科学省の有識者会議では2024年の小学校教科書改訂に合わせて無償化や検定の在り方について検討が進められております。

 しかし、このような状況に伴い、子ども達の視力への影響が懸念されております。文部科学省の調査によると、裸眼視力が1・0未満の小学生は34・57%、中学生は57・47%おり、いずれも過去最高の割合で、多くが近視という実態が示されております。この調査を参考に、本市の児童生徒の視力の状況について教育委員会に照会したところ、川崎市学校保健統計調査に於ける裸眼視力が1・0未満の割合は、小学校では平成27年度が約24・1%、令和元年度が約30・1%。中学校では平成27年度が約42・9%、令和元年度が約48・4%で、小中学校ともに約6ポイント悪化しておりました。端末の利用だけが視力への影響を及ぼす訳ではありませんが、市教育委員会ではGIGAスクール構想による一人一台の端末環境整備によるICT活用の視力への影響に配慮した授業の取り組みが行われております。具体的には教員向けハンドブックや保護者向けリーフレットにより、GIGA端末を使用する際の教室や画面の明るさ、適切な姿勢、時々眼を休ませること、就寝前に利用しないことなどの注意点が示されており、児童生徒の健康面に配慮した活用の周知に努めております。また児童生徒が端末を使う時の約束として、「き(・)れいな手で姿勢よく使います。良(・)い事に使います。う(・)ちに帰る前に充電保管庫に戻します。安(・)全に使います。指(・)示に従って使います。大(・)切に使います」の頭文字(・印)をつなげた「きょうあした」をキーワードに、視力への配慮を含めた指導が行われております。

 子どもの眼の機能は生まれてから徐々に発達し、おおよそ6歳までに完成すると言われている事から、本市では子どもの視力異常を早期発見、早期治療につながるよう三歳児健診、就学時健診が行われております。三歳児健診は「こども未来局」が担当しており、就学時健診は「教育委員会」の担当となっております。健診内容を確認したところ、三歳児健診時には眼科の医師が立ち会いますが、就学時健診時には眼科医の立ち会いはありません。その理由として市教育委員会では、眼の疾病及び異常については保健調査票等による確認や視力検査を行うとしております。この実施方法で保健上必要な指導助言が行えているとの考えであり、視力検査については眼科医が担当していない事の確認ができました。

 私は本市の就学時健診の実施方法について本当にこれで十分であるのかと疑問を感じ、全国20の政令指定都市の就学時健診状況を調査したところ、本市と同様に内科医と歯科医の学校医による健診が行われている都市が9市、内科医・歯科医に加え眼科医が加わっている都市が2市、内科医・歯科医・眼科医・耳鼻科医の4科の学校医による健診が行われている都市が9市である事が分かりました。全国20の政令市での就学時健診に格差が生じているのです。疾病の早期発見、早期治療の観点からも、本市に於いても学校医による眼科・耳鼻科の健診科目を加えるべきであります。実現に向けては、時間と予算、及び担当医の先生方のご理解とご協力が必要でありますが、将来ある子ども達のための健康を守るため、精度の高い健康診断が実施できるよう、引き続き教育委員会に対して要望活動を続けてまいります。

松原しげふみ事務所

中原区新城5-2-3

TEL:044-751-8855

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