市政報告vol.81 「公民共創」で「稼ぐ」公園にしていこう。 川崎市議会議員 末永 直
川崎市は、令和3年3月に「パークマネジメント推進方針」を策定しました。優先的に民間活力の導入を推進する方針をとっています。しかし、現状まだ橘公園や等々力緑地での実証実験のみです。私は令和3年第四回定例会一般質問において12月17日、公園の民間活力の導入について、トイレの在り方を中心に質問しました。
トイレが設置されてある公園は市内で120ヶ所。清掃に係る委託料は令和2年度で約7千万円。おおよそ一ヶ所につき約58万円の計算になります。議会ではいつも汚いトイレがクローズアップされ、公衆トイレと言えば「汚い」イメージが先行しがちです。住民に不安を与えます。
トイレ含め、公園の維持には結構な費用がかかります。そこで私は「稼ぐ」公園を提唱させていただきました。そう。ネーミングライツ権を企業等に売り、維持管理費を補うのです。
渋谷区では公衆トイレのネーミングライツを平成21年から収益事業として行っています。初年度は14ヶ所全てに応募があり2870万円も収益があったとのことです。新横浜駅での公衆トイレはネーミングライツとして機能した一例で、地元業者が便器洗浄や床面清掃などの役務の提供を行うことでネーミングライツ権を取得しているとのことです。
これらの事例を提示して、本市でも企業にネーミングライツ権と共に公園トイレの維持管理を委託する等について見解を建設緑政局長に伺いました。建設緑政局長は「今後、公園緑地の再整備等の機会を捉え、民間のアイデア、ノウハウを効果的に導入する」と前向きに答弁しました。
トイレ以外にも広告・防災インフォメーションパネル・イベントスペース、スマートゴミ箱、企業名をつけたオリジナル遊具、街灯、照明設備植栽、自動販売機、売店、時計台、休憩所、警備、グラウンド等々、ネーミングライツを行い得る対象は山ほどあります。多くの愛犬家の声をお伝えした結果、資料の「民間提案に求める施設機能」の中に「ドッグラン、コワーキングスペース等」と明記していただいた等々力緑地(民間事業者を令和4年度中に選定、契約し、令和5年度から緑地内施設を指定管理者制度により一体的に管理する予定)や、中原平和公園など比較的大きな公園でもこれらを導入すべきだと思いませんか。
一連をふまえ、福田紀彦市長は「本市と民間が、『公共』を共に担い、共に創り上げていく取組を進める」と表明しました。「公民共創」なる言葉がはじめて表明されました。これからは、行政と民間が知恵を出し合いながら力を合わせて創造していく時代になろうかと思います。
品川区の「しながわ中央公園」を視察しました。品川区役所から歩いてすぐ。自衛隊のヘリが離着陸できます。ヘリポートの地下に防災備蓄倉庫が整備されてあります。災害時にはテントを設置できる遊具もありました。興味深い公園があるものです。現在、私は本取組の推進にむけ、面白い公園の事例を調査中です。本稿をご覧になった方で、面白い公園を発見された方は、ぜひ教えていただければとてもありがたいです。
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4月26日
4月19日