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中原区 トップニュース社会

公開日:2023.01.13

75歳以上免許返納率
中原区は県内最高
交通利便性の良さ一因か

 75歳以上の運転免許証の返納率が、神奈川県内では中原区が最も高い9・16%だったことが、本紙の集計で明らかになった(2021年合計)。平地が多く自転車利用がしやすいことや、交通利便性の良さなどが要因とみられている。

 後期高齢者にあたる75歳以上のドライバ―を対象にした神奈川県警の統計を基に、タウンニュース社が独自集計したもの。県内58の市区町村内で、2021年の自主返納率の上位4位は川崎市が占め、中原区に次いで川崎区(8・91%)、幸区(8・44%)、多摩区(7・73%)が続いた。高津区は7・51%、麻生区は7・12%、宮前区は5・87%で、市全体では7・54%だった。

 中原警察署では、交通利便性の良さなどを要因として挙げる。「武蔵小杉駅だけで6線が乗り入れる鉄道の利便性に加え、バス便も多く公共施設や商業施設にアクセスしやすい。平坦な道も多く、自転車の利用がしやすいので返納しても不便に感じる人が比較的少ないのでは」と推測する。

相談ダイヤルも開設

 同署では、コロナ以前は地元自治会の集会や高齢者が集まる場などを利用し事故防止のための安全教室を行ってきたが、ここ2年は開催できておらず、近年は交通安全キャンペーンなどで返納を周知するチラシ配布を行うこともあるという。同署担当者は「高齢になると昔より身体機能や視力が落ちてくることもある。自身の体や体調を考えて、車とうまく付き合ってもらえたら。選択肢の一つとして免許の返納もある」と話す。運転に不安がある人や、その家族に向けた安全運転相談ダイヤル「♯8080」の活用も呼びかけている(祝日・年末年始を除く月〜金、午前8時30分から午後5時)。

 県内の返納者は近年増加傾向にあり、池袋で高齢ドライバーによる母子ら死傷事故が発生した2019年に過去5年で最多の4万6159人を記録。コロナ禍の20年、21年も4万人超で推移した。箱根町、大井町、中井町など県西、山間部に近い自治体で返納率が低い傾向がみられ、免許返納による生活の不便さなどが一因とみられる。市町村別にみると、最も返納率が高かった川崎市と最も低かった箱根町(1・86%)では、最大4倍の地域差があった。

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