市民が街なかで医療従事者らに気軽に相談できる「暮らしの保健室」。市内で初めてこの取り組みを開始した一般社団法人プラスケア(西智弘代表理事)が5月10日、新たに武蔵新城に拠点を開設した。活動の足場を持ち開催日を増やすことで住民が「いつでも来られる場」づくりを目指す。
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暮らしの保健室は、看護師など専門職のスタッフが常駐し、気軽に健康や悩みの相談ができる取り組み。全国で普及する中、同法人は2017年に市内で初めて開始し、元住吉のカフェを借りて週に一度、溝口のレンタルスペースでも月に一度開催してきた。「いつでもふらっと来られる場を実現するため、しっかり自分たちの拠点を持ちたいということになった」と、スタッフでソーシャルワーカーの勝山陽太さん。武蔵新城では毎週水曜から土曜に開催し、勝山さんと看護師の福島沙紀さんが2人体制で対応している。
「この場所でつながりを」医師による相談も開始
同法人によると、参加者は30代から50代を中心に毎月30〜40人ほど。病院に行くほどではないが不安に感じていることがある人や、病気の治療に悩む人、相談はないがふらっと遊びに来る人など、利用の仕方はさまざまだ。「みんなでおしゃべりする中で同じ悩みを共有できたり、先をいく経験者に出会えたり。お互いが影響しあえる場になっている」と勝山さんは話す。個別相談では、闘病中の人から人生観や考え方、大切にしているものなどを聞き取って整理し、治療方針のフォローアップにつなげるケースもあるという。
「病気になる前からこの場所を知って、つながっていてほしい」と福島さん。病気によって自信をなくし「自分には価値がない」「死なせてほしい」と言う人の姿も多くみてきたという。「自分のままでいられるんだということを知って、困ったことがあったらここに行けばいい、と思える場所になれたら」
武蔵新城は、セシーズイシイ23(上新城2の7の5)で毎週水曜から土曜、午前10時から午後4時まで開催。参加費400円。第3水曜には下小田中で医師である西代表による「保健室」も。
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