JR南武線連続立体交差事業 矢向駅〜武蔵小杉駅令和5年度に都市計画決定へ 市政報告 新たな街づくりの始まり 川崎市議会議員 松原しげふみ
JR南武線連続立体交差事業(以後、本事業)は矢向駅から武蔵小杉駅までの4・5Km間を高架化にする事業で、交通渋滞の緩和、高架下空間の利活用、避難路の確保、鉄道により分断された地域社会の一体化等の効果が見込まれております。総事業費は1387億円で、令和5年度末に都市計画決定がなされ、令和6年度より用地取得、令和11年度より下り線高架工事、令和15年度に上り線高架工事が始まり、令和21年度に上下線高架化が完成するスケジュールとなっております。また、高架化完了後には、約3年かけて、関連する都市計画道路の整備が行われます。私は本事業については前例を踏まえ、まちづくり効果が期待できる重要な事業であると観取しております。
本事業の区間内には9カ所の踏切が存在し、9カ所全てが改良の必要があるとして、国の「踏切道改良促進法」の改良基準に適合する踏切道に指定されており、吉沢直美前川崎市議会議員の尽力により「賢い踏切」が導入され、改善された踏切道はあるものの、ピーク時の遮断時間が1時間あたり40分以上という「開かずの踏切」が存在している実態は改善されていません。地域交通の円滑化や踏切事故の解消を図ることなど、本事業による対策が求められております。
また、高架化により創出された空間の「高架下利用」でありますが、現に武蔵小杉駅から武蔵新城駅間の高架下には保育園、商業飲食施設、駐車駐輪場、公園、町内会館等があり、新たな地域コミュニティーの創出と支援に寄与しております。高架化により創出された地上空間はJRが主体となり開発していくものと考えておりますが、行政や沿線住民の皆様との協働による「まちづくり」を求めてまいります。
さて、本事業では写真のように3駅が高架となります。鹿島田駅と向河原駅は相対式ホーム、平間駅については島式ホームとなり、3駅共にホームの有効長は約130mとされ、各駅にホームドアとエレベーターが設置されることになっております。併せて、本事業に関連し都市計画道路(図表)が整備されます。必要な用地については高架化完了後までに取得する予定で、測量については概ね完了しているとの事ですが、令和5年度末の都市計画決定、令和6年度の用地取得開始、用地取得後の令和11年度に工事着工となっております。令和6年〜11年の5年間で用地取得となる訳ですが、いささか楽観的すぎるのではないでしょうか。用地取得に関しては地権者がおり、またその地権者との権利関係者がおり、補償問題等も関連し、殊のほか時間が掛かると思われ、私の心配の種となっております。令和6年度の用地取得から令和21年度の上下線高架完成まで15年。どのような街並み景観となっているのでしょうか。見届けたいものです。
松原しげふみ事務所
中原区新城5-2-3
TEL:044-751-8855
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4月26日
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