中原区 社会
公開日:2023.07.28
川崎港で南方魚見つかる
黒潮大蛇行が影響
川崎市環境局環境総合研究所は7月11日、南方に生息する魚3種を川崎港の東扇島海域で初めて発見したと発表した。
今回発見されたのは、主に東京湾外洋に生息するクツワハゼ、東京湾より南方の暖かい海に生息するセグロチョウチョウウオ、カスミフグの3種。市は「黒潮大蛇行により東京湾に黒潮が流れ込みやすくなっていることから、南方に生息する魚が北上してきた可能性が高い」と分析する。カワスイ川崎水族館(川崎区日進町)の展示課・魚類チームの林達也さんは「温暖な海域に住む魚なのでこの近辺で見つかるのは珍しい。特にカスミフグは琉球列島などが生息域。まさか川崎で見つかるとは」とコメント。「黒潮大蛇行の影響が大きい。今後も続けば、温暖地域から生物が北上し、種類がさらに増える可能性は十分ある」との見方を示す。
同研究所によると、東扇島公園の人工海浜では、魚や貝などの産卵場や育成の場となるアマモも増加。今年1月から4月まで、毎月100株程度のアマモが確認されており、毎月連続で確認されたのは調査開始以来初めてだという。アマモの種子が外部から運ばれてきたことや水温・日射などが生育に適していたこと、水環境の改善が要因としている。
市は、19、20年度は年1回、21、22年度は月1回、引き網によって捕獲する方法と潜水士が潜って観察する方法で調査を実施。全37種類の魚類を確認し、そのうち3種類が初めて発見された。
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