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中原区 人物風土記

公開日:2023.12.15

川崎北税務署の署長を務める
井上 卓也さん
高津区在勤 60歳

正しく周知、「税」の大切さ

 ○…川崎北税務署の署長に就任したのは7月。約半年が経過し、確定申告が近づいてきたこれからの時期は「正しく、迅速な対応を行っていきたい」と力を込める。東京国税局の徴収部などで手腕を発揮し、人事の職務にも約15年間にわたり業務にあたった。滞納処分などの「徴収」と、署員の「マネジメント業務」などの役割を担い、署を牽引する。

 ○…東京都出身。両親の仕事の関係で転校が多く、親しい友人は少なかった。そんな中、父の勧めで出合った剣道。小3から高校卒業まで続けたことで自信をつけ、仲間にも恵まれるように。「勧めてくれて感謝してると、今でも親に言いますよ」と笑顔を見せる。社会科の教員を志していたが、大学の商学部では、社会科の教員免許が取れない事を入学後に知ったのだとか。気持ちを切り替え、財務に関する勉強に励み、東京国税局に進んだ。

 ○…入局した頃の世間はバブル真っただ中。配属された徴収部では「滞納処分」などを担当した。局内では「最後の砦」とされているが、税に関する世間の認知はまだまだ低く、周囲からは「取り立て屋」と称された。平成に入り、消費税が変わり、「税」を題材にしたドラマや映画も増え、徐々に理解されるように。初めての署長就任は約3年前でコロナ禍の初期。全てが手探りだったが困惑せず、これまでの経験を生かし、陣頭指揮を執った。

 ○…趣味は体を動かす事。自身のマインドと職務のイメージとの人心の乖離を埋めるべく長く続けてきたのが空手だ。気を抜くと疲弊してしまうかもしれない心のバランスを整え、己を鍛えている。川崎北税務署の舵取りに対する期待も大きい。「全力で取り組みたい」と意気込む。

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