使われなくなったランドセルの無償譲渡会が3月2日、グランツリー武蔵小杉で行われた。企画したのは全国で学生服の回収・販売を行う「さくらや」川崎店の金川知美さん。必要とする人に再利用され、地球環境にも優しい取組みを知ってほしいと思いを込める。
この日用意されたのは、使用済みのランドセル9個。そのうちの1個は、赴任先の海外から帰国し日本の小学校に通い始めるという母娘の手に渡った。「フリマサイトで購入したものの、色やデザインが気に入っていなかった」という娘を笑顔に変える機会となった。「新入生はすでに購入している時期だが、欲しい人に受け取ってもらえて良かった」と金川さん。新たに中古のランドセルを譲り受けるなど、譲渡会は活気をみせた。
SDGsの観点も
小学校入学時は出費がかさみ、子育て世代の経済的負担となっているランドセル。一方、卒業後は「思い入れがあってなかなか捨てられない」などと自宅の押し入れに眠らせたままの家庭も多いという。「通学距離が短かったり、不登校がちだったりと、きれいな状態で持ち込まれるケースも少なくない。譲ってくれた人の思いを受け継ぎつつ、SDGsの観点から物の大切さも伝えられたら」
そう話す金川さんが、さくらやの方針に共感し事業を始めたのは約2年前。学生服の回収・販売と並行し、ランドセルの譲渡はボランティアで行っている。現在は実店舗を構えていないため、毎月第4日曜日に、デイサービスこはるびより(中原区宮内2の15の16)を会場に実施。昨年末、「双子の孫に両祖父母から贈られてきてしまって…」と困惑した男性から2個のランドセルを譲り受けたという。会場で手にした母親は「まさか新品だなんて」と喜び、子どもが背負った画像を提供者に送ると喜びの返信が届いたという。「お互いうれしい取組み」とし、SNSなどで発信を続けていく予定。
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