市政報告 救急搬送の現状と課題適時適切な利用を! 川崎市議会議員 松原しげふみ
救急業務に対する川崎市民の期待と信頼は極めて高いものがあり、その期待と信頼に応えているのが救急隊であります。救急出場件数は過去10年間で2万4000件以上増加しており、神奈川県が作成した「別冊・神奈川県地域医療構想に係るデータ集」に於いても、今後川崎市の救急需要は増加すると想定されており、救急搬送件数の推移に伴い、救急業務に係る経費や隊員への負荷にも一定の影響があると考えられており、救急出場件数が増える中、4月1日から中原消防署に日中運用する「デイタイム救急隊」が増隊されることになりました。
消防組織法に於ける救急業務は市町村が責任を果たすとされており、その費用は市町村が負担する事とされ、救急要請については、全件対応・全件自前・全件無料で対応しております。令和4年の救急出場件数は8万4776件で、そのうち不搬送が1万7814件あり、全件の約5人に1人が不搬送に当たります。不搬送の理由としては、辞退・拒否・明らかな死亡などでありますが、令和4年の不搬送は前年を上回っております。また、これ以外にも「頭痛・腹痛・通院予定でタクシーがつかまらなかった」「救急車で行けばすぐに診察してくれる」などのケースの他、一人が一年間で10回以上救急車を要請したり、一人で1日5回以上要請した例などもあります。全てが悪質とは言い切れませんが、搬送に於ける傷病者の傷病程度の割合は、「軽傷」が最も多く51・1%を占めております。
本市では現場到着時間の目標を8分としておりますが、別表のとおり令和4年の覚知から現場までの平均到着時間は10・2分でありました。これは「心肺停止から10分以内に救急処理が行われる事が、1カ月後の社会復帰率の向上に寄与する」とのデータに基づく目標には届いておりません。また、現場到着から病院到着までの時間も35・8分かかり、覚知から病院到着迄の時間は46分となっています。これは一年間に出場した全ての救急車の到着時間を平均したものであり、この中には「軽症」「中等症」、一刻を争う「重症・重篤者」が含まれております。
重要なのは救急要請を受けた時に、重症者か否かを判断し、重症者には優先的な対応が求められますが、残念ながら現在は、覚知時には軽症者か重症者かの判断は難しい現状であります。迅速正確で優先的に無料で受診することができる救急サービスを、真に救急車を必要とする傷病者のもとへ確実に出場させ医療機関へ搬送することができるよう、市民の皆様には引き続き救急車の適時適正な利用をお願い致します。
松原しげふみ事務所
中原区新城5-2-3
TEL:044-751-8855
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4月26日
4月19日