市政報告 火葬後の「灰」、残骨灰の川崎における対応について 川崎市議会議員 松原しげふみ
残骨灰とは、火葬後に残った細骨や粉状の灰のことであり、粉状の中にある故人が生前に治療した歯や人工骨には、金、銀、プラチナ、パラジウム等の有価金属が含まれております。
現在、川崎市での残骨灰の取り扱いについては、有害物の除去など専門的な処理が必要な事を踏まえ、民間事業者に委託しており、市内事業者優先発注の観点から処理能力を有している市内唯一の事業者と委託金額25万円で随意契約が行われております。25万円の契約金額に関しての本市の見解は「契約金額については低額であると認識しておりますが、残骨灰の中に含まれる金属類等をリサイクルすることで残骨灰の分別に必要な経費に充てている」との事であります。また分別後の焼骨については、委託業者が県内のお寺の供養施設に数回に分けて納骨し、年度末に必要な経費を納め、永代供養しているとの事です。
以上が本市における残骨灰の処理の流れになりますが、他都市でも同様な処理方法かといえばそうではありません。他都市では、残骨灰を売却し、その収益で葬祭場の維持管理や利便性の向上に活用されています。本市が残骨灰を売却しない理由として「故人の尊厳や御遺族の心情への配慮から残骨灰の売却については実施していない状況」であるとの事です。残骨灰の売却について政令市の状況を確認した結果、16市が売却しており、本市と相模原市、静岡市、堺市の4市が実施しておりません。売却しない理由としては本市と同様に「残骨灰は遺骨の一部であり、遺族感情に配慮」との事であります。
さて、本市における残骨灰の状況について、さらに詳しく説明いたしますと、令和5年度の市内、南北両葬祭場から生じた残骨灰は約30tであり、その内訳として粉状の灰が22・5t、金属類が約4・2t、ガラス陶磁器が約3・5t、焼骨が約60kgとなっております。この数字を参考に本市が残骨灰を売却したと想定した場合、例えば横浜市の売却金額(図表の通り)は2億3千万円余りであります。人口は本市の2・4倍程度でありますので計算上本市においては約9600万円になると推測されます。売却額が一番高い京都市は令和4年度から売却を始めており、収益金については火葬場の修繕等に充てているとの事です。
以上が、9月、10月に行われた市議会決算審査での私の質疑を要約したものでありますが、本市の考え方として「他都市におきましては、残骨灰による収益を葬祭場の維持管理や利便性の向上に活用していることから、こうした状況を踏まえ検討していく必要があると考えている」との答弁を得ております。宗教上の観点から御遺族に配慮する考え、売却をして葬祭場等の保全に充てる考え、皆様はどのようにお考えでしょうか。
松原しげふみ事務所
中原区新城5-2-3
TEL:044-751-8855
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
11月1日