川崎市の「2024年度版川崎市労働白書」がこのほどまとまり、発行された。人手が不足している企業は半数を超え、従業員からカスタマーハラスメントに関する相談があった企業は1割以上だった。
川崎市は1990年度から市内の2000事業所を対象に、労働・雇用状況を確認する「川崎市労働状況実態調査」を実施している。35回目となる直近の2024年度調査では、886事業者から回答があった。
ワーク・ライフ・バランス(WLB)への取り組み状況では、「育児・介護等による時差勤務制度」を実施する企業は53・7%、「育児・介護等による勤務軽減措置」がある企業は40・7%、「在宅勤務制度」がある企業は24・3%など、WLBへの配慮が広がる一方で、「いずれも行っていない」と回答した企業も4分の1あった。
また「働き方改革」の取り組みは、「有給休暇の取得促進」(70・5%)や「長時間労働の是正」(59・7%)を多くの企業が進めているほか、「短時間勤務・フレックスの導入」(26・1%)や「テレワークの導入」(20%)など、多様な働き方を取り入れる企業も一定数確認された。
全業態で共通の悩みである「人手不足」に関しては、「やや不足」(43・9%)と「大いに不足」(11・3%)を合わせた数値が55・2%と、2社に1社が不足しており、業種別では建設業や運輸・郵便業、情報通信業で「不足」の傾向が強かった。人材確保のために、「求める人材の明確化」(33・5%)や「自社の魅力のPR」(28・3%)など工夫をこらす企業が多い一方で、「特になし」も27・9%を占めた。
調査項目に新たに加えた「カスタマーハラスメントに関する取り組み状況」では、従業員からカスハラに関する相談を「受けたことがある」は13・5%だった。業種別では医療・福祉業者の約4割が「受けたことがある」と答え、教育・学習支援業35・3%、卸売・小売業22・2%と、接客や利用者と接触する業態が高かった。
詳細は市のホームページへ。