川崎区・幸区 人物風土記
公開日:2015.06.05
お茶で料理を楽しむ「茶宴」を提唱する
佐藤 節男さん
ロイヤルブルーティージャパン(株) 代表取締役会長 62歳
新たな「茶文化」川崎から
○…1本数千円から30万円という常識を覆すような高級茶の開発、製造、販売を一貫して行う。お茶が入っているのはワインボトル、注がれるのはワイングラス。フランス料理や日本料理といったコース料理とともに、ワイングラスに注がれた数種の高級茶を楽しむ「茶宴Cha-En」というスタイルを提唱する。その手始めに5月1日から、市内のレストランでスタートさせた。
○…「お出しするお茶は主役の料理を活かす『名脇役』。マリアージュ(組み合わせ)を堪能してもらえたら」と自信に満ちた笑顔を向ける。同じテーブルを囲む人が皆平等に、料理も会話も同じペースで楽しめるような空間を演出するのが高級茶の役割だと説く。女性の社会進出や若者の酒離れ等、宴席に酒が苦手な人が座る機会は増える。宗教上、飲めない外国人もいるだろう。「お酒が飲めない人を尊重する優雅な宴席が、これからの時代には必要だ」と、力を込める。
○…大手旅行代理店に約30年務めた後、台湾の青茶を提供する高級ティーサロンを経営。そこで開催した「お茶で料理を楽しむ会」に参加した女性から「このスタイルを広めたい。一緒にできないか」と言われ、熱意に打たれた。自身が会長、女性が社長の二人三脚で06年、区内でロイヤルブルーティージャパン(株)を立ち上げ、市の「かわさき起業家オーディション」で起業家優秀賞も受賞した。
○…妻と二人暮らし。趣味のゴルフはここ数年離れているが、「健康のためにそろそろ再デビューしたい」と、今年中の再開が目標だ。仕事では「海外からの賓客を招いた晩餐会の乾杯ドリンクがシャンパンでなく、高級茶でおもてなしをする日が当たり前に」なることが目標。13年にはアウン・サン・スーチー氏が来日した際の夕食会でふるまわれた実績もある。川崎で生まれた新たな茶文化を世界に向けて発信し、近い将来、「茶宴」をグローバルスタンダードにのし上げる。
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